ここは秘宝館などではない!性の文化や信仰、歴史に関する激アツな博物館「性神の館」を訪問しました


日本中の観光地に点在する秘宝館。性に関するアレコレを面白おかしく展示して若者グループのサブカル欲を満喫させるスポットとして定着していますが、栃木県宇都宮市にはそれとはひと味ちがう「性神の館」と呼ばれる施設があります。

東北自動車道宇都宮ICから車で5分ほどの距離に位置する精神と時の部屋ならぬ「性神の館」。名前の字面からなんとも言えないアヤシイ雰囲気が漂いまくっています。いったいここで何が行われているのでしょうか。


生まれも育ちも宇都宮、餃子に醤油かけない奴はだいたい友達の筆者ですが、子供心に日光自動車道から見える看板をチラ見しながらいったいどんな場所だろうと妄想を豊かにすること20年、ついに内部に踏み込む時がやって来ました。

意を決して進むと入り口に聳え立つ男性自身をかたどった御神体。注連縄が不思議なことに。

そしてまるで胎内くぐりでも始まるかのような入り口。

山本晋也監督がトゥナイト2で性神の館を大絶賛した旨が書かれた看板。「世界に二つとない性の博物館!!秘宝館とは全く違います」とのことですが、ではいったい何なのか。
こちらも自信たっぷりの口上。期待値は上がる一方です。

入場料は1000円。もちろんここまで来て引く選択肢はありません。意を決して中に入ると、ハイテンションな女性(館長の奥様とのこと)が出迎えてくれました。テレビ番組などでも紹介された名物館長はこの日はおられないとのこと。

ぜひそちらの説明も受けてみたかった気がしますが、なにはともあれ館内へ。すると目の前に巨大な男根が!

さらにその奥には無数の男根が立ち並ぶ金精大明神の神社。奥日光の最奥から未開の地グンマーへと抜ける峠が金精大明神の鎮座する金精峠。この神社はその金精峠に向けて作られています。

金精おさすり棒なるものも。

山本晋也監督の奉納した絵馬「SEXは清く正しくいやらしく」。なんと開館と同時に訪れ4時間半も滞在したとか。

こちらは「ちんこ祭」として知られる愛知県の田県神社の「豊年祭」で実際に使われた御神体です。ちんちん神輿というやつですね。

こちらは天狗の面。ご立派な鼻をお持ちです。

日本全国の性祭が網羅されています。川崎のかなまら祭などは有名ですが、ここまで多いとは驚かされます。

全国の性的なおみやげ品などもズラリと並んでいます。

我らが栃木県の誇る性神の案内図です。

案内板に何故か写っている女性が皆レトロに色っぽいのも隠れた見どころ。

そして性的な意味合いを持つ出土品やモニュメントなども。

日本だけにとどまらず、海外の性的な信仰、文化についても詳しく紹介されています。こちらはインドのカジュラホの交合像(ミトゥナ)。

ハワイやインド、東南アジアからも多数収集されています。

これはタイの人形。ちょっと生々しすぎるでしょうか。

ちょっとモンスター風のフィリピンのもの。

葛飾北斎や喜多川歌麿を始めとした日本の浮世絵の春画も多数紹介されています。

べっ甲細工の江戸時代の大人の玩具。女性同士で使用する性具までもがこの時代から存在していたという事実はちょっと胸アツです。

非常に小さい博多人形。作りこみの細かさが実に職人芸です。

お椀の内側や皿の裏などにこっそりと描かれた春画。当時の規制状況が忍ばれます。

「ぺいこのいんぽ」という女性器愛液採取用の道具。どうやら当時は愛液がやけど等の薬になると考えられていたようです。

これは肥後芋茎。根本に巻きつけて使うようですがちょっと痛そう。

こちらは動物の性器シリーズ。世界一巨大な男性器とされる鯨の男根。鯨の女性器はレプリカです。

こちらは蛇の性器。

その後にはブラックライトで光る星座体位占いも。

最後に10分程度のインドのカジュラホに関する映画を鑑賞してプログラムは全て終了しました。不真面目なAVバージョンもあるらしく、そちらもすごい内容だとのこと。

とにかくボリュームがすごいこと、さらに日本と世界の性文化についてなかなか手が届かないレベルまで手広く集めていることなど、実に「知的生の博物館、秘宝館とは全く違う面白さ」と主張するだけのことはあります。

断片的に見聞きしてきた性に関する知識が繋がっていく面白さ、さらには自分の知識が断片でしかなく、さらにその外側に広大な性の文化が広がっていることを知る面白さなど、思わぬ発見がありそうです。

場所は宇都宮ICからすぐという好立地。宇都宮に餃子を食べに来るのであれば、行き帰りに寄ってみることをオススメします。詳しいアクセスなどの情報は下記公式HPから。



■性神の館
住所:栃木県宇都宮市徳次郎1478
電話番号:028-665-3206 
開館時間:10:00~18:00
定休日:火曜日
入場料:1000円
公式HP:性神の館




開館から40年を迎えようとする性神の館。ここは今も変わらぬ情熱とボリュームでマジメな性信仰や性文化への知識欲を満たしてくれる性の博物館でした。デートでも、グループでのお出かけでも十分に楽しめることうけあいです。

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