下り最大110Mbpsの次世代高速通信「AXGP」を展開するソフトバンク傘下のワイヤレスシティプランニング(WCP)が、KDDI傘下のUQコミュニケーションズが10月末開始予定の「WiMAX 2+」のサービス差し止めを総務省に求めました。
総務省|電波監理審議会|電波監理審議会(第998回)会議資料
総務省の公式ページに掲載された電波監理審議会(第998回)の会議資料によると、Wireless City Planning株式会社が9月13日に異議申し立てを行ったことが記載されています。
これはUQコミュニケーションズが申請した特定基地局の開設計画を総務大臣が認定し、2.5GHz帯の20MHz幅を追加で割り当てたことと、ワイヤレスシティプランニングの認定申請が拒否されたことの両方に対して取消を求めるもの。
UQコミュニケーションズに追加で割り当てられた20MHzは「WiMAX 2+」向けに利用されているため、今回の異議申し立ては実質的にWiMAX 2+サービス自体の差し止めを求めるのと同じであることになります。
なお、ワイヤレスシティプランニングが異議申し立てを行った理由は以下の通り。
異議申立てに係る処分は、申請内容に関する認識・理解の誤りがあり、WCP社の申請内容について考慮すべき事項を正当に考慮せず、UQ社の申請内容について考慮すべきでない事項を殊更に取り上げて結論を導いた点において、判断の過程及び内容に重大な誤りがある。
ちなみにUQコミュニケーションズに追加割り当てが行われた現在でも、最も周波数帯を多く保持しているのはソフトバンクグループ(ソフトバンクモバイル、イー・モバイル、ワイヤレスシティプランニング)で、世界各国で幅広く利用されているグローバルバンドが多いのも特徴。
もし異議申し立てが通るのであれば、ただでさえ最も多く割り当てられているソフトバンクがさらに伸び、ライバルのKDDIの割り当てが一番少なくなるという、1社だけに非常に都合のいい内容になる上、通信事業者各社で唯一転送量無制限サービスを提供している「WiMAX 2+」の展開に支障が発生するわけですが、はたして今回の申し立てはどのように処理されるのでしょうか。
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