携帯各社の2013年冬モデルと肩を並べるスペックである上、最新OS「Android 4.4(KitKat)」を採用した超低価格スマートフォン「Nexus 5」の発売をイー・モバイルが正式発表しました。
◆端末代込みで月額4615円で使える「Nexus 5」
イー・モバイルのプレスリリースによると、同社は11月中旬から「Nexus 5(EM01L)」を全国のイー・モバイル取扱店やウィルコムプラザで販売します。
Nexus 5本体価格。「バリュースタイルS」を適用して一括払いで購入すると、店頭キャンペーン価格として現金販売価格5万400円から1万600円が値引かれた3万9800円(販売店によって異なる場合あり)になりますが、24回払いで購入した場合は毎月の通信料金から「月額割引-S」として1680円が割り引かれ、実質支払額は1万80円に。
また、Nexus 5は「EMOBILE 4G-S」契約となり、「4G-Sスマホ割」で基本使用料(980円)が2年間無料。「データ定額得割」を適用すると「データ定額3-S」の定額料(4935円)も最大25ヶ月間3880円になり、利用できる通信量も3GBから5GBに増量されるため、毎月の料金は「EMベーシックパック-S(315円)」や端末代の分割支払金と合わせて月額4615円です。
対応する通信方式は以下。イー・モバイルが展開している1.7GHzのLTE以外はすべてソフトバンクモバイルが提供し、プラチナバンドの3GやプラチナLTE(ただし来春以降スタート予定)も利用可能に。
LTE:900MHz、1.7GHz、2.1GHz
3G(W-CDMA):900MHz、2.1GHz
◆ただし2年後には月額料金大幅アップで通信量規制も強化
「プラチナバンドの3G/LTEも使えるNexus 5が端末代込みで月額4615円、テザリングも無料」というと、なかなか聞こえが良いのですが、2年経過後は毎月基本使用料(980円)が発生する上に「データ定額3-S」も3880円から4935円に値上がりして月額6230円になるだけでなく、データ通信量が3GBに減らされる点には注意が必要。
ほかにも「EMOBILE 4G-S」は固定回線とのセット割引やメールアドレスの引き継ぎができず、同プラン以外のイー・モバイルユーザーとの無料通話もできないなど、特に既存のイー・モバイルユーザーに厳しい点が多く、問題点は先ほどの記事にまとめてあります。
◆しかしそれでも魅力的な性能、アップデートも最優先に
このように必ずしもメリットばかりではないイー・モバイルの「Nexus 5」ですが、やはり気になるのはそのスペック。前面にはキズに強い「Gorilla Glass 3」を採用し、映り込みの少ない広視野角の4.95インチのフルHD(1920×1080)IPS液晶と130万画素前面カメラを搭載しています。
背面には集光性能が56%アップしたレンズ採用の光学手ブレ補正付きの800万画素カメラ。Android 4.4の新機能「HDR+」によって、暗いところではノイズが少なく、明るいところでは光と影がハッキリした写真が撮れるのが特徴です。
20MHz幅を利用して下り最大150Mbps、上り最大50MbpsのLTEが利用できる「UE Category4」にも対応。ただしこれは周波数帯の新規割り当てが前提で、現行では下り最大75Mbps、上り最大25Mbpsとなります。
バッテリー容量は2300mAhでワイヤレス充電にも対応。Android 4.4(KitKat)は音楽再生時の消費電力を大幅にカットできるため、最大60時間の音楽再生が可能になりました。
プロセッサには「Snapdragon 800(2.3GHz)」を搭載。この冬の人気モデル「Xperia Z1」をはじめとした各社のフラッグシップ機と肩を並べています。なお、重さは130グラム、薄さは8.59mmです。
カラーバリエーションは2色。それぞれ16GB・32GBモデルが展開されます。
なお、Googleによると今回公開された「Android 4.4」はスマートフォンで最も高価な部品の1つであるメモリ(RAM)を節約するため、今までのAndroid OSにあったバックグラウンドで動作する不必要なサービスのメモリ消費量を大幅に削減。
ChromeやYouTubeといったGoogleの各種サービスについても横断的にメモリ使用量を削減することに成功した結果、世界の多くで用いられている512MB RAMを搭載したスマートフォンでも快適に動作するようになったほか、タッチパネルの性能を最大限に引き上げる機能も搭載されています。
さらに今後提供されるAndroidの最新アップデートは、まずNexus 5向けにリリースされるとされているため、他社製のフラッグシップ機の一歩先を行くモデルであることは間違いなく、2年後の解約を強く意識する必要はあるものの、プラチナバンドを含む対応周波数帯の豊富さやランニングコストの低さも相まって、十分選択肢になりうると思われます。
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