NTTドコモが完全通話定額の「カケホーダイ」を発表したことを受け、ソフトバンクが1月に発表し、4月21日に開始する予定だった最大10分までの通話が月1000回無料になる「スマ放題」を無期限延期していましたが、ようやく仕切り直すことになりました。
◆ドコモ、au、ソフトバンクが完全通話定額で横並びへ
携帯電話:通話定額ドコモに追随 2社も月額ほぼ横並びへ - 毎日新聞
毎日新聞社の報道によると、ソフトバンクは6月中をめどに完全通話定額に参入する方針だそうです。気になる料金はドコモと同じ月額2700円程度で、データ通信についてもドコモとほぼ同様の料金プランを導入して対抗するとのこと。
auもドコモの新料金プランにより契約者の流入が減ったことを受け、予定を前倒して8月から導入する見込み。これによりドコモ、au、ソフトバンクの3社がほぼ同料金で横並びになるとみられています。
◆やはり厳しいカケホーダイ追従、ドコモだけが損をしない構図に
各社の報道ではau・ソフトバンクとも完全通話定額プランを月額2700円で提供するとしていますが、これはカケホーダイのスマホ向けプランと同じ金額。新プランについてはスマホでの展開にとどめ、ドコモのフィーチャーフォン向けプラン(月額2200円)については追従しない可能性も考えられます。
また、結果的に料金プランが横並びになってしまうことについて、携帯各社を非難する声もあると思われますが、先日BUZZAP!でお伝えした通り、完全通話定額導入で損をしないのは、固定電話で76%・携帯電話で45%のシェアを持ち、接続料を支払う先の大半が自社グループで済む(=他社にお金が出ていかない)NTTのみ。
つまりauやソフトバンクは別途パケット通信料収入が見込めるスマホに限定して完全通話定額を導入しない限り、採算が取れない可能性がある一方で、ドコモを含むNTTグループは競合2社の完全通話定額導入で、今まで以上に接続料収入がもたらされるようになる……という構図があるわけです。
なお、先日ウィルコムが発表したカケホーダイ対抗のオプションプラン「スーパーだれとでも定額」も、「最大400kbpsのPHSデータ通信が無料になる」というメリットはあるものの、基本プラン「新ウィルコム定額プランS」と組み合わせた場合の月額料金は2881円。
音声通話に特化した端末・サービスを打ち出してきたウィルコムが、あえてPHSデータ通信無料を付加価値として持ち出し、月額2200円のフィーチャーフォン向けカケホーダイと直接価格で競争することを避けたことは、完全通話定額の厳しい採算性を裏付けるものではないでしょうか。
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