特定の10cm四方だけにピンポイントで音を鳴らせる超音波スピーカーを立命館大が開発
音楽好きは常に頭を悩ませる騒音問題。ですがこの技術が発展すれば近隣に迷惑をかけずに大音量で音楽を楽しむことができるようになるかもしれません。
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立命館大学が世界で初めて開発に成功したのは、超音波を用いて握りこぶしほどの空間にピンポイントで音声を発生させるスピーカーシステム。
音声を超音波に変換し、複数のスピーカーから流し、これらの波が重なりあう1点でのみ元の音声が聞こえるという仕組み。静かな美術館でのヘッドホンに変わる作品解説や街頭広告などへの応用が期待されているとのこと。
このスピーカーシステムが利用しているのは超音波の「うなり」という現象。波長がわずかに違う波が重なった時に生じる遅い波で、超音波自体は人間の耳の可聴域を超えていてもその「うなり」は聴くことができるため、超音波の波を空間の一点にうまく集中させることで「うなり」によって音声を再現させています。
研究グループの西浦敬信教授によると「超音波が重なる範囲を工夫すれば、音が聞こえる範囲をさらに狭めたり、広げたりできる」とのことで、仮にこの技術で10m四方、100m四方だけに音を鳴らせるシステムができれば、クラブやライブハウス、野外フェスティバルなどで度々問題になっている騒音問題を回避できるようになる可能性もあります。
システムを見ると小さな空間でこうしたスピーカーシステムを組むことは難しそうですが、逆にこれまで近隣問題などで大きな音を出せなかった施設、屋外空間などでの音楽イベントの開催なども視野に入ってくるかもしれません。今後どのようにこの技術が発展するか非常に楽しみです。
10センチ四方だけ、音が鳴る スピーカーシステム開発:朝日新聞デジタル
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