【追記あり】自らの女性器の3Dプリンタ用造形データを配布したアーティストのろくでなし子さんが逮捕、釈放を求める署名活動も

先日3Dプリンタで実弾を発射できる拳銃を制作したとして逮捕者が出ましたが、今回は女性器の造形のデータの配布でアーティストが逮捕されました。詳細は以下から。

逮捕されたのは「デコまん」という自分の体のまん中部分(女性器)をモチーフとしたアート活動をしているアーティストで漫画家のろくでなし子さん。

2013年にマイクロファンディングサイトCampfireを使って「わたしの「まん中」を3Dスキャンして、世界初の夢のマンボートを作る計画」に対する資金提供を呼びかけていました。この企画は2013年6月25日に予定金額の2倍近い100万円を集めて成功裏に終了していましたが、問題となったのは3000円以上の資金提供へのバックのひとつである「まん中3Dデータ」でした。

わたしの「まん中」を3Dスキャンして、世界初の夢のマンボートを作る計画に支援を!

警察はこのデータを「数字や文字の羅列だが、3Dプリンターに入力すると石こうなどで形状を再現できる」としてわいせつ物に当たると判断、わいせつ電磁的記録頒布の疑いでろくでなし子さんを逮捕しました。ろくでなし子さんは調べに対して「わたしにとって、性器は手足と一緒だと思っている」と述べて容疑を否認しています。

ろくでなし子さんがまんボートに至るデコまんを制作し始めたきっかけが、上記のCampfireの紹介文の中に以下のように記されています。

そもそもわたしがデコまんを作ったのは、自分のまん中の形が異常では?という悩みがきっかけでしたが、それはまん中が日本では長らくタブーとされ、常にモザイクをかけられてきたため、まん中の基本形がわからなかったことが大きいです。また、まん中が必要以上に隠されてきたために、逆にいやらしさが増幅し、女性にとっては単なる体の一部なのにセックスや卑猥なイメージを勝手に与えられてしまったと感じます。

そこでまん中をもっとPOPに、カジュアルに、日常にとけこませるよう、リモコンで走るまん中、まん中の照明器具、まん中アクセサリー、iPhoneカバーまん製作など、本格的に活動するようになりました。

わたしの「まん中」を3Dスキャンして、世界初の夢のマンボートを作る計画に支援を!6d745.comも見てネ! – YouTube

さらに以下のようにインタビューの中でも女性器の扱いに対して意見を表明しています。

女性アーティスト・ろくでなし子が語っていた本音 「女性器は現実。汚いものとして嫌ってる風潮が疑問だった」|ウートピ

今回の逮捕はろくでなし子さんの女性器に対する訴えの真逆を行き、画像ですらない女性器の3Dプリントデータを警察はわいせつ物として取り締まりの対象であると考え、アーティストの逮捕にまで発展しています。

ネット上ではろくでなし子さんのアートへの評価の賛否を越えて表現の自由の過度な侵害でであるとする意見が数多く見られ、Change.orgでは即時釈放を求める署名も開始されました。

キャンペーン 芸術家・ろくでなし子氏(五十嵐恵容疑者)の即時釈放 Change.org

また、世間に溢れる性器を模したアダルトグッズや性器型の神輿が公道で掲げられる「奇祭」などに比べてこのデコまんがことさらわいせつとは言えないのではないかなどの意見も多数聞かれています。

【追記あり】

ろくでなし子さんと親交のある北原みのりさんがTwitter上で警察の高圧的とも取れる捜査についてのつぶやきがあり、摘発が有無を言わせぬものだったことを伺わせます。

また、即時釈放を求める署名に加え、Facebook上ではろくでなし子さんを支援するページも立ち上がっています。

アート作家・ろくでなし子氏を支援するコミュニティ情報ページ

【さらに追記】

7月18日、ろくでなし子さんの弁護団のひとりであり、児童ポルノ法に対する活動などでも知られる山口貴士弁護士から交流に対する準抗告が通り、ろくでなし子さんが釈放されるとのTweetがありました。

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