つながりやすさへの不満を一切無視、MMD研究所が「ソフトバンクが1位」という不思議な調査結果を発表



「MNPで携帯電話会社を変えたユーザーが今の携帯電話会社のサービスについてどう思っているか」を、不思議な調査結果でおなじみのMMD研究所が発表しました。

またしても調査機関とは思えない不思議な結果となっています。詳細は以下から。

MMD研究所によると、2013年10月~2014年6月までにMNPで4Gスマホに乗り換えたドコモ、au、ソフトバンクのユーザー各600人(計1800人)を対象に、前の会社とのサービス比較調査を行ったそうです。

まずはMNP前と比較した「パケ詰まり」に対する不満の調査結果。いずれの会社も17~18%のユーザーが不満に感じています。


そしてMNP前と比べて「つながりやすさ」をどれだけ実感できたかという調査。「とてもつながりやすい」はドコモ、au、ソフトバンクの順番ですが、MMD研究所は「ややつながりやすい」も合わせて「キャリア別に見てみると、SoftBank利用者が最も高く62.4%、次いでdocomo利用者が60.9%、au利用者が55.3%の順となった」としています


MMD研究所の解釈に沿えば、一番つながりやすいと実感されているのはソフトバンクであるかのように見えますが、これだけ携帯各社がエリアを整備した今、本当に気にすべきであろう「ややつながりにくい」「とてもつながりにくい」を合わせた数字がドコモ14%、au10.7%、ソフトバンク11.8%となっている部分は無視。

各社のMNP流入・流出状況を鑑みれば、特にNTTドコモからユーザーの流入が多いauに対して「どちらでもない」と感じるユーザーの割合が高くなるのは分かりそうなもの。同時に最もつながりやすさに不満が無いのはauということの証左でもあるわけですが、MMD研究所はどうして一切言及しないのでしょうか。

調査対象者の在住地域とその割合。極端な話、満足度を稼ぎたければ人口密集地を集中的に整備するのが一番手っ取り早いわけですが、調査結果が両極端な携帯電話会社は、三大都市圏とそれ以外の地域での整備状況に大きな差があるのかもしれません。


最後に通信速度の実感度。絶えず画像を圧縮し、3日間で1GB以上通信したユーザーに過酷な通信速度制限を課すなど、トップクラスの厳格さでネットワークを管理しているソフトバンクが1位に。


ただし今回の通信速度に関する調査では「前に使っていたスマホがどの通信方式に対応しているのか」について言及されておらず、仮にユーザーが2年縛りが切れたのに合わせてMNPしたとすると、前に使っていたスマホは2011年10月~2012年6月ごろに契約された「iPhone 4s」などの3Gモデルが大半であると推察されます。

つまりこの通信速度に関する回答の大半は、そもそも規格上の最大通信速度が圧倒的に異なる3Gスマホと4Gスマホを比較したものである可能性が高く、設問自体が適当でないというわけです。

さすがに突っ込みどころが多すぎるため、もしこの調査結果を元に「各社のLTEを比較した中で最も満足度が高い」と受け取れる文脈で宣伝を行うような携帯電話会社がいれば、疑ってかかったほうが良いと思われます。

MNPした6割がスマートフォンのつながりやすさ、速さを実感、SoftBank利用者が最もつながりやすさ、速さを実感」と題されたMMD研究所の調査レポート詳細は以下から。

MNPユーザーのスマートフォンネットワーク調査

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