鉄道の駅や公共機関でよく目にするようになった自動体外式除細動器(AED)。突然の心停止から命を救うこの器具を最大限に活用するためのアプリが開発されています。詳細は以下から。
鉄道駅、図書館、公民館などを始め、全国に30万台もの自動体外式除細動器(AED)が配備されている日本は有数のAED普及国。突然襲い掛かる心停止から命を救うためのこの重要な装置、しかし現状では活かしきれていはいません。
現在日本では年間約73000件の心停止があり、その9割に当たる約65000人が亡くなってしまっています。これは1日換算すると180人にも及び、いつ身の回りで起こってもおかしくない数です。心停止後は1分が経過するごとに蘇生率はおよそ10%ずつ低下していくと言われており、救急車の平均到着時間である8分間の後にAEDなどを用いて救命活動を行っても生存率は10%ほどしかありません。
一方、救急車到着前にAEDや胸骨圧迫による心肺蘇生を行った場合、生存率は41%まで跳ね上がることが分かっています。しかし突然目の前で心停止が起こった時に心肺蘇生法を行うスキルを持った人が偶然目の前にいたり、すぐにAEDを使用できる状態である可能性は決して高くはありません。そうした事態を目の当たりにしてパニックに陥ることも十分有り得る話です。
そうした中で、なんとかこの生存率を改善させようと開発されているのがスマホ用アプリ「AED SOS」。スマートフォンの位置情報を活用し、緊急事態遭遇時にSOSを発信することで、事前に登録した救急救命の意志のある人々に緊急事態の発生を通達。現場に急行して適切な救命活動を行ってもらったりAEDを届けてもらうことによって救急車到着前の救命活動の実施率を上げ、生存率を上昇させるというもの。
緊急事態発生から救助までのフローはこのような感じに。
動画での説明は以下から。
AED SOS (Prototype) - YouTube
現時点ではこの「AED SOS」はプロトタイプであり、今後は医療分野の専門家を交えてブラッシュアップを行った上での公開を目指しており、そのための初期運営費用としてマイクロファンディングサイト「READY FOR?」にて支援を募集しています。
心停止の現場にすぐに付近の救助者を呼んで命を救うSOSアプリ(玄正 慎) - READYFOR
資金は期間終了の9月29日まで4日を残して現在目標額の300万円に対して243万円と、あと50万円余りが必要な状態です。本件に関しては先日津田大介氏もツイッター上で言及し、支援を明言しています。
これめっちゃ素晴らしいアイデア。でもあと6日しかなくてまだ半分も集まってない。皆様ぜひご支援を。僕も支援します。 / 心停止の現場にすぐに付近の救助者を呼んで命を救うSOSアプリ - READYFOR?
http://t.co/iMAvgzm6mX #NewsPicks
— 津田大介 (@tsuda) 2014, 9月 23
スマホユーザーが多い現代日本では、こうしたアプリによる情報共有ができれば多数配備されたAEDによって助かる命も少なくないはず。お年寄りに多いとはいえ決して人事ではない突然の心停止。自分や大切な家族、友人のための保険としても支援する価値は十分にあると言えます。
学習研究社
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