豚骨、鶏ガラ、魚介系、ラーメンの出汁は様々ですが、その中でも非常に珍しい牛骨で出汁を取るラーメンが鳥取県に存在しています。体験してきましたのでレポートします。
ラーメンのスープに使われる出汁はそれぞれのラーメン店の勝負どころ。豚骨、鶏ガラ、魚介、野菜など、いろいろな素材に特化したり組み合わせが豊かな日本のラーメン文化を作り出していると言っても過言ではありません。
その中で、非常に存在感が薄いのが牛骨。焼き肉などで牛肉がメジャーなことを考えると意外なほど牛骨を売りにするラーメンは少ないのです。
しかし、鳥取県ではラーメンといえば牛骨の出汁が一般的。県中部から県西部にかけて戦後に発祥して以来、半世紀以上親しまれてきました。ただ、あまりにも一般的過ぎたために珍しいものという意識がなく、対外的なアピールが本格化したのは2009年に「鳥取牛骨ラーメン応麺団」が結成されて以来とのこと。
鳥取牛骨ラーメン - Wikipedia
今回はそんな鳥取ラーメンのスタンダードを求め、「昔ながらの旨いラーメン」を謳う鳥取県倉吉市のラーメン幸雅を訪れました。
ラーメン幸雅はJR倉吉駅から南に500mほど、GEOやカラオケ屋と同じ一角にあり駐車場も共有しているため非常に訪れやすい立地です。夜は表の看板が見えにくいので注意。
こちらが入口。昔なつかしい「なつ旨ラーメン」がイチオシのようです。鳥取県産牛骨使用と明記されており、期待が高まります。
店内は明るく、気取ったオサレ感はありません。奥にはサイン色紙なども多数。
店内に掲示されていたなつ旨スープの説明。牛骨を20時間煮込み、赤崎桶谷の白醤油を使っています。「昔なつかしい日本のラーメンの味」ということですが、牛骨のためこれは鳥取の昔なつかしいスタンダードと考えて良さそうです。
こちらがなつ旨ラーメンの塩味。牛骨というだけでこってりなイメージがあったのですが、意外や意外、澄み渡っています。そしてナルトも久しぶりに見ました。ちなみに他には醤油味と味噌味があります。
お味も見た目と共に意外なほどあっさりとして風味はフルーティですらありますが、それでいてしっかりとパンチもあります。他のどの出汁でも味わったことのない繊細に広がっていく味わいはまさに牛骨ならではと言えるのでしょう。細めの縮れ麺もスープにぴったりと合い、するすると完食できてしまいます。普通の食欲なら大盛りやセットにしてもよいかもしれません。
鳥取牛骨ラーメン、想像していた味と全く違いました。そしてその味が鳥取のスタンダードというのもお店の雰囲気などを見ていると納得させられます。いつかもしあなたが鳥取県を訪れる機会ができたとしたら、ぜひこの鳥取牛骨ラーメンを体験してみてください。ラーメンの知られざる可能性とその密やかな営みを知ることになるでしょう。
ラーメン幸雅
電話番号:050-5872-3481 (予約専用番号)
0858-26-7288 (お問い合わせ専用番号)
住所:鳥取県倉吉市山根583-2
営業時間:平日・日曜日11:00~21:00
金・土11:00~23:00
定休日:無休
ラーメン幸雅 - 倉吉 ラーメン [食べログ]
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