低消費電力で高い色再現性やコントラスト、動画性能などを実現することから「ポスト液晶」として有力視されてきた有機EL。
しかしながら製造コスト面で液晶に太刀打ちできず、SamsungのGALAXYシリーズだけが長年採用してきたわけですが、ついにスマホのディスプレイに本格採用される兆しが見えてきました。
台湾メディア「DIGITIMES」が報じたところによると、長年携帯電話端末向け有機ELディスプレイの生産を続けてきたSamsungが、ようやく今年、液晶と同じ価格で有機ELパネルを販売できる見通しだそうです。
これは歩留まり(良品率)の改善や生産量の拡大によって製造コスト引き下げに成功したことを受けたもので、2013年時点で10~15ドルにもおよんでいた液晶との価格差を、2014年には5ドルにまで縮小。
販売価格を同額にまで引き下げられるようになった一方で、いまだに液晶との間に全体的なコストの差が10%ほど存在しますが、有機ELに投資している中国メーカー・Tianma Optoelectronicsなどが生産を拡大すれば、さらなる価格競争が期待できるとされています。
ちなみにTianma OptoelectronicsはLenovoやHuawei、Coolpad、ZTEなど、シャープの主要取引先にも供給実績があるメーカー。
ジャパンディスプレイとの競争激化や中国のスマホメーカーの減産を受け、スマホ向けIGZO液晶の40%減産を決定したシャープに対し、有機EL陣営がさらなる攻勢をかける事態となりかねない状況です。
Samsung OLED handset panel pricing to reach parity with TFT LCD in 2015
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