貧困のために靴を買うことのできない3億人もの子供たちのために、彼らの成長に合わせて大きさを5段階に調整できるサンダルが開発されています。
子供の成長は本当に早いもの。半年前の靴がもう履けない、ということもしばしばです。しかし途上国の貧困家庭にとってはその度に新しい靴を買うのは経済的に非常に困難。そのため裸足のままで過ごす子供が世界になんと3億人もいると言われています。
日本では裸足で過ごすのは健康的というイメージがありますが、それは衛生状態が極めて良好で、危険なゴミで怪我をしたり感染症を心配しなくても良いという状況があればこそ。
スラム街やゴミ集積場などは決して清潔ではありませんし、仮に怪我や病気になった場合も満足な治療を受けられるとは限りません。実際に世界中で20億人以上の人が土壌経由の病気や寄生虫による被害を受けています。
発明家のKenton Leeさんは2007年に仕事でケニアのナイロビに駐在していた際、教会に向かう途中に、白い服を着て小さすぎる靴を履いた女の子を見かけました。その時の疑問が発端となり、「靴を調節して大きくできたらいいんじゃないか?そうしたら子供たちはいつでも足のサイズに合った靴を履けるようになる」というアイディアに到達、「The Shoe That Grows」の誕生に至りました。
Home The Shoe That Grows
この「The Shoe That Grows」は最低でも5年間履き続けられるように5段階に大きさを調節可能。使われているのもレザー、圧縮ゴム、留め具というシンプルな材質で、壊れるような機械的な部品はなく、洗いやすく使いやすい構造になっています。こちらが動画による説明。
HOW IT WORKS on Vimeo
大きさは2種類。Smallは歩けるようになってから10歳くらいまで、LargeはSmallが履けなくなってから15歳くらいまでの足の大きさを想定されています。また、このサンダルは非常にコンパクトになるため、50足をスーツケースに入れて運搬可能で、その重さも22kgを下回ります。
Next Order of The Shoe on Vimeo
1足は30ドル(約3600円)ですが、まとめて購入することで大きく割引され、100足同時購入することで1足辺り12ドル(約1500円)となります。現時点では売り切れていますが、5000足を追加生産中とのこと。
Buy the Shoe The Shoe That Grows
なお、こちらのページからは1足10ドル(約1200円)で、協力関係にある中米やアフリカの支援団体を通じてサンダルを寄付することも可能。支援したいけれど自分で買って送り先を探すのは大変という方はここから寄付してみてはいかがでしょうか?
The Duffle The Shoe That Grows
原書房
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