関西独自の取り組みも、ドコモが災害や通信が混雑する大規模イベントへの取り組みを公開

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災害時のライフラインとして欠かせない存在となったことを受け、携帯各社が取り組みを強化する中、NTTドコモが自社の取り組みを紹介しました。詳細は以下から。

これが先日大阪市内のNTTドコモ関西支社で行われた説明会の資料。NTTドコモ関西支社 ネットワーク部 災害対策室長 辻繁氏が解説しました。



◆災害対策



災害による被害のおさらい。携帯電話黎明期に起きた阪神・淡路大震災では、39局の基地局がサービスを中断しましたが、2日後には全局復旧。その結果「災害に強い」通信として契約者が急増しました。



そして東日本大震災。サービス中断した基地局は6720局でしたが、翌3月12日には4900局が復旧。4月末時点で震災前のエリアにほぼ復旧しました。


ほかにも台風や豪雨による水害で基地局が被災するなど、災害への取り組みは急務なのが現状です。


そこで取りざたされるのが災害への対策。ドコモでは「システムとしての信頼性向上」「重要通信の確保」「通信サービスの早期復旧」の3つを原則に取り組んでいます。



東日本大震災から1年以内にドコモが終えた対策。大ゾーン方式基地局を全国104ヶ所に設置し、人口の約35%をカバーしたほか、基地局の無停電化・バッテリーの24時間化を推進。



関西では14局の大ゾーン基地局が展開されています。



非常時には衛星エントランス回線や、基地局間を無線で繋ぐ非常用マイクロエントランス回線を活用する仕組みを導入。


さらに関西独自の取り組みとして、南海トラフ巨大地震対策のために、中ゾーン基地局を被災が想定される沿岸部に重点的に構築。大ゾーン基地局と合わせて遠隔からエリアコントロールが可能になります。


また、水害が発生した地域では基地局をかさ上げ。6月末に30局、7月17日に残り1局の対策が終わります。



さらに中ゾーン基地局も組み合わせるほか、自治体や自衛隊、海上保安庁などとの連携も。





◆輻輳対策
スマホが普及したことを受け、携帯電話各社にとって最も大きなトピックが輻輳(通信の混雑)への対策。


ドコモは「LTE-Advanced(商用サービス名:PREMIUM 4G)」を導入することで、電波を有効活用しています。



LTE-Advancedの主要技術「キャリアアグリゲーション」のイメージ図。1000分の1秒ごとに2つの周波数を選択することで、無駄なく電波を利用でき、負荷分散を行うことができます。


800MHz、1.5GHz、1.7GHz(東名阪のみ)、2.1GHzを保持しているドコモは、キャリアアグリゲーションで1.7GHzと800MHz、2GHzと1.5GHz、2GHzと800MHz……といった組み合わせを採用しています。


観客数約6万8000人を誇る「宝塚記念」でPREMIUM 4Gに対応した移動基地局車を国内で初めて運用した結果、すべての時間帯において安定したウェブページ閲覧が可能になりました。


今後は9月までに15イベントに投入予定。なお、PREMIUM 4Gに対応した移動基地局車は現時点ではドコモ関西支社のみが保有しています。



恐ろしいほどの人でごった返す天神祭でも活躍予定。ちなみに移動基地局車はイベントによっては半径500メートルほどしかカバーしないとのことですが、これは人口密度が高すぎてきめ細かいカバーが必要となるため。


最後にドコモはユーザーへのサポートとして、災害用キットを提供中。



実際にサービスを試すこともできます。


災害用伝言板サービス、災害用音声お届けサービスなどを3キャリア共通で提供







緊急時の携帯電話の充電や、移動基地局車へのAEDの搭載。非常時のビル解放などが提供されます。









◆質疑応答
フリーライター佐野:
PREMIUM 4Gの移動基地局車は1台?全国では何台?

NTTドコモ関西支社ネットワーク部災害対策室長 辻繁:
3台です。今は関西のみしか導入していません。

?:
関西独自の水害対策として、基地局装置のかさ上げを行ったとのことだが、(対策の)基準は?

辻:
弊社が影響を受けたところについて迅速に進めたと考えて下さい。今対策したのは30ヶ所だが、ハザードマップなどを見ながら今後の展開は検討していく。

日経新聞:
水害対策を行った基地局は30局とのことだが、関西全体の基地局に対する割合は?今後どのように拡大するのか。

辻:
関西全体の基地局は開示していないのでお伝えできませんが、過去の災害で実際に水没した基地局がまもなく対策を終える基地局を含めた31局。率直に言うと総数から考えれば少ないが、水没被害を受けるケース事態が少ない。今後はあと60局くらいのかさ上げを予定しています。

日経新聞:
移動基地局は昨年どれくらい出動したのか

辻:
今年(7月に8イベント、8月に23イベント、9月に3イベント)とイベント数は変わらないが、基地局の整備が進むなどして、別のイベントに出動するようになっている。

共同通信:
PREMIUM 4Gの基地局はどれくらいの規模のイベントで出動する?主催者からの要請で動くのか。

関西支社 ネットワーク部 片岡:
基準はあまり設けておらず、イベント後ごとに個別にシミュレーションしながら対応させてもらっています。

?:
関西独自の試みでさまざまな災害対策を行われているが、ドコモさんの中で関西支社はリスクの高い地域にあるという認識なのか。

辻:
やはり東日本大震災の影響がとても大きく、関西に置き換えた際、「南海トラフ地震で和歌山への影響が大きくなる」というシミュレーションがあったため、全国でもいち早く取り組んだ。昨今は夏に風水害、ゲリラ豪雨が頻発したため、まずかさ上げに着手した次第です。

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