Photo by David Gilford
昆虫食でも取り上げられるミールワーム。なんと発泡スチロールなどのプラスチックを食べて消化できることが発見されました。詳細は以下から。
土に還らない人工物は廃棄物処理の際の大きな問題。しかし、なんとミールワームは発泡スチロールやポリスチレンプラスチックを食べ、消化までできることが明らかにされました。
研究では100匹のミールワームを1日辺り34~39mgの発泡スチロールで飼育。ミールワームはこれらを食べ、腸内細菌の助けを借りて消化。半分を二酸化炭素に、そして残りの半分を生分解性のフンとして排出したのです。
しかも驚いたことに、これらのミールワームは普通のエサで飼育した時と同様にいたって健康であり、そのフンは(さらなる検証が必要としながらも)堆肥として用いるのに十分安全なものだったということ。
今回の最も重要なブレイクスルーは、これまで生分解性がないとされながらも地球上にゴミとして散らばる発泡スチロールやポリスチレンプラスチックを小さな虫が土に還せるということ。
今後ミールワームの腸内の発泡スチロールを分解する微生物を特定できれば、その分解プロセスを解析し、より効果的な消化酵素を作り出すことができるとのことです。
発泡スチロールなどは100万年単位で環境を汚染するとされており、こうした虫たちが餌として土に還すことができれば廃棄物による環境汚染問題への大きな前進となります。
研究者らは今後プラスチックを食べたミールワームを捕食した場合の食物連鎖の中での影響を調べ、海中という環境で同じように発泡スチロールを消化できる生物の発見を目指すとのことです。
ミールワームは昆虫食の分野でも栄養価が高く、飼育が簡単で美味しいとして人気の虫。単に食料としてのみならず、発泡スチロールを分解して堆肥を生成できるとすれば一石で何鳥にもなるスーパーフードと言えそうです。プラスチックを食べたミールワームがどんな味がするのか、健康に問題ないかなど気になるところはありますが…。
Plastic-Eating Mealworms Could Help Reduce Landfill Waste IFLScience
(Photo by David Gilford)
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