食用ウジ虫を自分のキッチンで育成できるキット「Farm 432」がスゴイ!


近年日本でも虫食がブームになりつつありますが、なんと自宅で食用のウジ虫を育てられる育成器が開発されました。より手軽に虫料理を味わえるようになりそうです。

ウィーンのオーストリア王立ウィーン応用芸術大学出身の工業デザイナー、Katharina Ungerさんが作成した「Farm 432」は自宅で簡単に食用の蛆虫を育成できるキット。1週間に500gものウジ虫を育てることができ、これは2食分にあたるとのこと。キット内の環境はハエにもウジ虫にも最適のスペースや採光になるように設計されています。

使い方は簡単。キットのてっぺんのスペースにウジ虫を入れると育って成虫になり、成虫用のスペースに移動、その後交尾し、卵を生んでウジ虫が生まれます。ウジ虫は育つに従って専用のボックスに集まるため、この一部を再び成虫まで育てて繁殖を繰り返させ、残りを料理するのです。以下の動画からそのプロセスを見ることができます。

Farm 432 Function on Vimeo

Katharinaさんがおすすめするウジ虫はアメリカミズアブ(英名:Black soldier fly)のもの。1gの卵が432時間後には2.4kgの幼虫として収穫できるという効率性に加え、たんぱく質含有量が42%と鶏胸肉の倍程度あり、カリウムやアミノ酸も豊富に含んでいるなど栄養価が高いのが特徴です。なお、このウジ虫はポテトのような香りがして、ナッツに似た味を楽しめます。Katharinaさんのイチオシレシピはウジ虫トマトリゾット。パルメザンチーズをふりかけると相性バッチリです。

なお、このウジ虫の味が好みでなければ他の虫を同様に飼育して収穫することもできるため、好みに合わせていろいろと試す楽しみもありそうです。

先日BUZZAP!では試験管培養肉のハンバーガーが誕生した記事を掲載しましたが、人口増加に伴う肉類の消費量の増加の問題は深刻で、2050年には現在より5割程度消費量が増えると予想されています。

そのための牧場を作成するための環境破壊や飼料の消費の増加、水質の汚染などの環境負荷は無視できるものではなく、国連も虫食がたんぱく質摂取のための有効な手段であり、伝統的な肉食よりも環境負荷を減らすことができると認めています。

タイなどの東南アジアや中国では虫食は既に広く浸透しており、日本もイナゴや蜂の子などの伝統的虫食文化を持っています。今後こうした習慣が世界に広がって新しい食文化を形作ることになるかもしれません。

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