バリアフリーが進んでも全ての階段にスロープが付けられるまでには時間がかかります。では車椅子で階段を昇り降りできたらいいじゃないかと考えた学生がいました。詳細は以下から。
車椅子での生活も、鉄道駅や役所、図書館などの公共施設を始め、多くの新しい建物がバリアフリー化していることから少しずつ便利になってきています。ですが、古い寺社仏閣や過疎地の観光地など、なかなか簡単にスロープを付けられない場所が存在しているのも事実。
そうした中でスイスの大学生たちは、車椅子に階段の昇降機能をつけたら良いのではないかと考えました。チューリッヒ工科大学とチューリッヒ芸術大学Roland Siegwart博士とRoland Haas博士の指導を受ける10人のエンジニアやインダストリアルデザインを学ぶ学生たちが開発したのがこの「Scalevo」です。
Scalevoにはセグウェイを思わせる大きな2輪の車椅子にキャタピラが装着されており、実際にセグウェイに似たシステムでバランスを保ちながら走行が可能。平坦な地面では座って走れるセグウェイといった感じで、時速10kmの速さで走ることができます。
階段の昇降は17度から34度までの角度に対応しており、1秒間に1段程度のスピードで昇り降りすることができます。ちなみに登るときは後ろ向きで昇らなくてはなりませんが、バックカメラが搭載されているため確認しながら登っていけます。なお、螺旋階段にも対応しているということ。
Scalevoの幅は65cmで長さが105cm、重さは101kg。現在は一般向けには販売されていませんが、プロトタイプからのフィードバックを収集した後にクラウドファンディングサイトKickstarterでの資金募集を行ってローンチする予定。
こちらは今年5月に作成されたプロモーション映像。実際にScalevoが走行し、階段を昇っているところを見ることができます。ただし、この映像の作成後に地面でのバランシングや昇降スピードは改良が重ねられています。
Scalevo - The Stairclimbing Wheelchair - ETH Zurich - YouTube
純粋にセグウェイの代わりに乗ってみたいレベルでかっこいいですが、車椅子で生活をする人にとっては生活圏を大きく広げる画期的な製品となりそうです。
Students Have Developed An Electirc Wheelchair That Can Climb Stairs IFLScience
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