今年の夏発売されるスマホから、GPS情報が警察に筒抜けになる機種が現れそうです。詳細は以下から。
2016年夏に発売されるスマートフォンの一部の新機種に、警察などの捜査機関が持ち主本人に知られることなしにGPSの位置情報を取得できる機能が実装されることが明らかになりました。総務省が2015年に個人情報保護ガイドラインを改定したことを受けた措置で、対応機種は順次拡大していく見通しです。
これまでも携帯電話会社が捜査機関の要請で、利用者のスマホの位置情報を提供することはありました。しかし従来のガイドラインでは位置情報の取得に際して裁判所の令状と位置情報取得時の本人への通知を求めていました。
そのため携帯電話会社は位置情報が取得される際に「この端末の位置情報が検索されようとしています」というアラートを表示し、音とヴァイブレーションで通知していました。
しかし、本人通知によって捜査が困難になるという警察庁の要請を聞き入れて総務省は2015年6月に通信業界向けのガイドラインを改定し、本人通知の要件を削除。捜査令状はこれからも必要となりますが、対応機種では本人に知られることなく利用者のスマホの位置情報を取得できるようになります。
ドコモは11日発表のAndroid搭載のスマートフォン5機種で対応を始め、発売済みの端末についてもソフトの修正によって対応させることを検討中とのこと。auは「捜査に関わるため、本人非通知の改修有無についてはコメントを控えるが、必要な対応を検討中」と回答。ソフトバンクも「運用を含めて検討中。詳細は回答を控えたい」としており、対応機種は明らかにされていません。
なお、ドコモによると、利用者が端末の位置情報機能を無効に設定していると情報は取得できないと説明しています。
また、iPhoneはAppleや携帯電話会社から利用者の位置情報を取得できない仕組みを取っており、このガイドライン改定の影響は受けないとのことです。
自分の知らないうちに警察などの捜査機関にスマホの位置情報を覗き見られるという、あまり愉快ではない世の中がもうじきやってくることになります。利用者のプライバシーはどのように守られるのか、関係省庁と携帯電話会社からの明確な説明が必要です。
ドコモが新機種のみならず既存の端末にもこの機能を実装させる一方でiPhoneであれば位置情報が知られることはないなど、機種や携帯電話会社によって受ける影響に幅が出てきそうです。今後のスマホ選びはこれらの対応がどうかについても考えておいた方が良いのかもしれません。
携帯の GPS情報、本人通知なしで捜査利用 一部新機種:朝日新聞デジタル
インプレスR&D (2014-04-17)
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