ビールの「あの成分」が肝臓への脂肪の蓄積を抑制することが明らかに
Photo by heyrocc
ビールに肝臓を保護するという驚きの効能があることが判明しました。
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お酒を飲むと肝臓を痛める。お酒が好きな人にとっては耳に痛い明白な事実です。しかし、ビールには他のお酒にはない肝臓への脂肪の蓄積を抑制するという効能があることが新たな研究の結果として示されました。
その秘密はホップ。ホップは大麻などと同じアサ科のつる性多年草で、日本ではセイヨウカラハナソウとして知られています。ホップの毬花はビールの原料のひとつで、苦みや香りを出すために極めて重要な役割を果たしています。
脂肪性肝疾患へと至る肝臓への脂肪の蓄積は飲酒の最も大きな危険のひとつとされてきましたが、これまでもビール以外のお酒を多く嗜む人はビール愛好家より脂肪肝を含めた肝臓の病気に罹りやすいというデータが存在していました。
では、ビールに含まれるどの成分が肝臓への脂肪の蓄積を押さえるのか。研究者らはマウスに通常のビール、ホップ抜きのビール、純粋なエタノールをそれぞれ経口投与して実験を行いました。
12時間後にそれぞれのマウスの肝臓を調べたところ、ホップ抜きのビールとエタノールを飲ませたマウスには同じ程度の脂肪が蓄積しており、ホップの入った普通のビールを飲ませたマウスだけ脂肪蓄積の量がずっと少なかったのです。
研究チームはこの結果をジャーナル「Alcohol and Alcoholism」に発表、ホップが肝臓への脂肪の蓄積を抑制しており、この事実がビールが他のアルコール飲料に比べて健康を害する度合いが低いことを部分的に説明していると主張しています。
また、通常のビールを飲んだマウスの肝臓は酸化ストレスによるダメージが小さく、これはホップが抗酸化作用を持っている可能性が高いことを示しています。
ホップにはこれまでも肝臓に留まらない脂肪の代謝効果や糖尿病の抑制効果や認知症の予防効果、さらには骨粗しょう症や更年期障害にも効果があるとの研究報告がなされてきました。古くから生薬として健胃、鎮静効果があるとされており、血圧の改善や美肌効果など、多くの有用性が知られています。
そんなホップが大量に含まれているビールといえばやはり現在流行中のクラフトビールの一種であるペールエール。そしてさらに多くホップが含まれているのがIPA(インディアンペールエール)です。どちらもしっかりとした苦みと香りがあり、これが大量のホップの証。
発泡酒や第三のビールなどにはホップは少ないため、少し高いですがペールエールやIPAを選ぶのがお酒を飲みながら健康になるための最良のルートということになりそうです。
もちろん飲み過ぎたりアルコール依存症になっては元も子もないので要注意です。おつまみの食べ過ぎも過剰カロリーになるので控えめに。
Beer Hops May Protect Against Liver Disease _ IFLScience
(Photo by heyrocc)
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