ソニーがトリプルイメージセンサーにスマホとしては世界初の5軸手ブレ補正を採用した「Xperia XZ」を発表し、iPhone 7 Plusおよびisai Beat(ドコモ版はV20 PRO L-01J)がデュアルカメラを備えた2016年冬モデル。
この冬、カメラ機能で選ぶなら実質的にこの3機種が候補となるわけですが、写りの良さだけでなく、デュアルカメラの実力も気になるところ。そこでさっそく試してみることにしました。詳細は以下から。
◆まずは各モデルのカメラ機能をおさらい
今回比較に用いたスマホはXperia XZ、isai Beat、iPhone 7 Plusの3機種。各モデルの特徴をまとめてみました。
・Xperia XZ
1/2.3インチExmor RS・24mm広角Gレンズ・映像処理エンジン「BIONZ for mobile」にPDAF(位相差AF)対応CMOSセンサー、レーザーAFセンサー、RGBC-IR(赤外線)対応のカラーセンサーを組み合わせた「トリプルイメージセンサーテクノロジー」採用の約2300万画素カメラ。スマホとしては世界初の5軸手ブレ補正「SteadyShot」も備えています。
・isai Beat
F値1.8・光学手ブレ補正対応の75度レンズ採用1600万画素カメラと、F値2.4・135度広角レンズ採用の800万画素カメラのデュアルカメラ構成。レーザーオートフォーカスおよび自然な写りを実現するデュアルフラッシュを備えています。
・iPhone 7 Plus
1200万画素の広角、望遠カメラのデュアルカメラ構成。2倍の光学ズームが可能に。
◆さっそく夜景を撮影してみた
実際に都内の夜景を撮影してみた写真は以下。基本的にカメラの設定には手を加えず、あくまでオートで撮影。また、「カメラの暗所撮影性能を試す」という主旨から、フラッシュおよびモバイルライトはオフに。iPhone 7 Plus以外は発売前の試作機で、製品版とは異なるケースがある点に注意が必要です。
・上野公園不忍池
まずは上野公園不忍池。ポケモンGO勢が集まっていました。
少しもやがかかったような天候だった撮影日。向こう岸に見えるマンションの窓や壁、そして地面のタイルなどを見ると、各社ごとのアプローチの違いが分かります。
暗めではあるものの、自然な色合いになったXperia XZ
isai Beatは明るく撮れ、色はややビビッドに。
広角レンズに切り替えると、その撮影できるエリアの広さに驚かされます。
いつも抑えめの明るさで撮れていたiPhoneですが、iPhone 7 Plusではかなり明るめに。
2倍ズーム時。単なるデジタルズームとは異なり、しっかりと写ってくれます。
さらに近づいてみたところ。やはりXperia XZは暗めの写りに。isai Beatの通常レンズはフォーカスが甘めに写ってしまいました。
Xperia XZ
isai Beat(通常、広角)
iPhone 7 Plus(通常、2倍ズーム)
・都庁の展望室
続いては入場無料で地上202メートルの高さから東京を一望できる、都庁の展望室に。
色がかなりきれいに出たXperia XZ。もともと広角気味のレンズを採用しているため、夜景を余すところなく撮ることができます。
isai Beatもそこそこきれいなものの、フォーカスが甘めに。isai vividと同じ「ガラス越しの光景だとレーザーオートフォーカスが甘くなりやすい」という弱点があるようなので、撮影の際は画面タッチでフォーカスしたい場所を指定するか、マニュアルフォーカスを利用したほうがいいかもしれません。
広角レンズでの写りには目を見張るものがあります。
きれいに撮れるものの、そこまで広いエリアが撮れるわけではないiPhone 7 Plus。
2倍ズーム使用時の写りはなかなかのものです。
新宿パークタワー、東京オペラシティなどが見える南西方面。ディティールを損なうことなく、色鮮やかに広範囲を撮影できるXperia XZのアドバンテージはなかなかのものです。
Xperia XZ
isai Beat(通常、広角)
iPhone 7 Plus(通常、2倍ズーム)
少し違うアングルでは、isai Beatがやや苦戦。
Xperia XZ
isai Beat(通常、広角)
iPhone 7 Plus(通常、2倍ズーム)
あまり高層ビルなどが見えない練馬方面でも、Xperia XZが無難な写りになっています。
Xperia XZ
isai Beat(通常、広角)
iPhone 7 Plus(通常、2倍ズーム)
新宿駅方面。手前のビルの壁面や窓を見れば、isai Beat(通常レンズ)とiPhone 7 Plusが善戦していることが分かります。なお、iPhone 7 Plusのズームレンズでは、ビル最上階にいる人のシルエットまでも撮影できています。
Xperia XZ
isai Beat(通常、広角)
iPhone 7 Plus(通常、2倍ズーム)
続いては都庁の足元にある、美内すずえの人気漫画「ガラスの仮面」で主人公・北島マヤが幻の演劇「紅天女」の世界観を掴むきっかけとなった「空の台座」と呼ばれるアートワーク。すべて同じ場所から撮影したもので、各モデルの暗所撮影性能に加え、画角の広さが一目で分かります。
Xperia XZ
isai Beat(通常、広角)。通常レンズはかなりよく撮れているのではないでしょうか。
iPhone 7 Plus(通常、2倍ズーム)
都庁ビル自体を撮影してみたところ。あまりきれいに撮れない曇り空な上、ビル自体を照らす明かりがほとんど無いにもかかわらず、どのモデルも善戦しています。
Xperia XZ
isai Beat(通常、広角)
iPhone 7 Plus(通常、2倍ズーム)
真っ暗な茂みと明るいビルの明暗差が強いところでは、isai BeatとiPhone 7 Plusの通常レンズがいい写りに。
Xperia XZ
isai Beat(通常、広角)
iPhone 7 Plus(通常、2倍ズーム)
都庁の足元でもう1枚。どのモデルも街灯の光に影響されすぎず、周辺のビルなどもしっかり明るく撮れています。それにしてもisai Beatの広角レンズの広角っぷり、iPhone 7 Plusのズームしてもディティールが損なわれない感じは、今までのスマホカメラに無い楽しさです。
Xperia XZ
isai Beat(通常、広角)
iPhone 7 Plus(通常、2倍ズーム)
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