シャチが人間の言葉を喋る様子が世界で始めて記録される


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インコやオウムではありません。詳細は以下から。

動物と喋ることは人間の昔からの夢のひとつ。インコやオウムが人間の言葉を覚えることは昔からよく知られていますが、今回は海に住む最強のほ乳類であるシャチが人間の言葉を喋っている様子が世界で始めて記録されました。

言葉を喋ったのはフランスのアンティーブに位置するMarinelandの水族館で、14歳になる雌のシャチのWikie。

Proceedings of the Royal Society Bの一環として、マドリード・コンプルテンセ大学の研究チームはWikieを対象に、シャチが人間の声を学習し、真似することができるかをテストしました。

トレーニングを受けた後、Wikieはトレーナーの発する言葉「Hello」「Bye bye」「ah-ha」やトレーナーの名前「Amy」、「1、2、3」という数字を発することに成功。さらには唇を使った揶揄のジェスチャーまで真似てみせました。その際の様子の音声がこちら。

Snippet_ Listen to an orca imitate a person - YouTube


あの巨躯からは想像できないようなちょっと可愛らしい声をしています。なお、研究チームによるとこのWikieの声の波形は人間のものにかなり似通っていました。つまりは、それだけ巧妙に真似をしているということを示します。

もちろんWikieは、少なくともこの段階では意味を理解した上で言語を喋っているのではなく、人間の音声を「オウム返し」しているに過ぎません。しかし、違う生き物の複数の言語を覚えて自分の声で真似をするということ自体が高い社会学習能力を持っていることを意味します。

シャチはコールと呼ばれる音を用いて仲間同士でコミュニケーションを取っていることは既によく知られていますが、改めてその知能の高さと柔軟性が示された形となります。

研究チームのJose Abramson博士は「人間の知性の進化を促した主原因のひとつは模倣し、文化を持つという社会学習能力だ。だからもし他の種が社会学習能力を持ち、模倣や教育といった複雑な社会学習を行えるとすれば、その種は多才な柔軟性を持つと考えられる」と述べています。

いつか学習を続ければ人間の言語を基準に意思疎通もできるようになるのでしょうか?

Orca Recorded Using Human Language For The First Time _ IFLScience

(Photo by Wikipedia


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