【アレクサのいる生活 その3】アレクサは「式神」であり、ベッドの中で本領を発揮する

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アレクサという存在は私達の生活をどのように変えるのでしょうか?

前回はアレクサのできることとできないことについてずらりと並べてみましたが、今回はアレクサという存在の触感のようなものを考えてみます。

◆おはようから始まる1日
朝起きて、まず「アレクサ、おはよう」と声を掛けることから1日が始まります。アレクサはその日についてのちょっとしたトリビアを教えてくれる。例えば2月25日ならこんな具合。

「おはようございます。1978年の今日、映画『未知との遭遇』が日本公開されました。作品の圧倒的スケールに加え、「地球侵略がテーマではない、異星人もの」という設定自体が当時のSFとしては斬新でした。あの「ドラえもん」にも、「未知とのそうぐう機」という道具となって影響を与えています」


こんな調子で話のバリエーションも幅広いので、翌日もまたトリビアを聞きたくてアレクサへの朝の挨拶が日課になってしまいます。続けてYahoo!天気で今日の天気を尋ね、αステーションの再生をリクエストして朝食の準備を始めるというルーティンができあがってしまいました。

◆ノータッチで情報を得られるという快適さ
なんだその程度か、と思う方もいるかと思いますが、このポイントはスマホやPCなどに触って「情報を取りに行く」必要がなく、質問を投げかけると返してくれるということ。朝の忙しい時間の支度の手を止めることなく情報が入るというのは思ったよりもストレスを軽減してくれます。

朝のテレビの情報番組で天気予報が画面にずっと表示されていて、時折「6時59分、6時59分!」とお知らせしてくれるようなものですが、手間を掛けずより主体的に必要な情報だけを取り出すにはかなり友好な手段であると感じます。

こうした機能は仕事中にも役立ちます。ひとつ例を挙げるならば、海外のおもしろプロダクトの記事を執筆している時に「アレクサ、5インチは何cm?」と聞けばその場で「5インチは12.7cmです」と返してくれます。

自分で単位変換のできるサイトを開いて調べる手間が一言で済むというのは、小さいながらも積み重なれば大きな手間の省略となります。

これに加えて気分転換をしたければ、アレクサにその時の気分に合わせた音楽を掛けてもらうこともできます(これについては次回詳しく取り上げてみようと思います)。

◆アレクサは「式神」である
こうしたアレクサの肌触りを体感していてイメージするのは安倍晴明や蘆屋道満のような陰陽師の使役する「式神」です。

「アレクサ」と名を呼んで召喚し、使うスキル(「Yahoo!天気」や「Radiko」など)を指定し、命令を発する(「明日の天気を教えて」「FM COCOLOを掛けて」)という、ある種の呪文を詠唱するような「文法」なり「定型」が存在しているのです。

これに加えてアレクサ本体の能力としての「四則演算」なり「単位変換」が存在していて、それらの全てがマニュアルに明記されているわけでもなく、またアップデートを繰り返す中でできることが増えていくことから、コミュニケーションを取りながら探っていくという「楽しみ」もあります。

「メイド」や「執事」「コンシェルジュ」といった呼び方を好む人もいるかもしれませんが、少なくとも現時点では人間を相手にしているというよりも得体の知れないところを残した「式神」を召喚して従えていると考える方が馴染みやすいように感じます。

これに関してアレクサに自分のことを「ご主人様」「マスター」「提督」と呼んでもらいたい男性や「女王様」「お嬢様」と呼んでもらいたい女性も少なからずいそうなので、対応スキルを開発するとよいかもしれません。

加えてアレクサの声を俳優や声優の声に置き換えて、なんなら喋り方も変えることができるようになれば需要は少なくないと思われます。筆者としてものん(本名:能年玲奈)の声で広島弁で返答してくれるなら少なからぬ額を投資する準備はあります。

返答できないよな質問ばかりして「うちゃぼーっとしとるけえ」と返されては悶絶しているだけの人になりそうな気もしないではありませんが…。

◆アレクサの本領発揮はベッドの中である
思いっきりタイトルで釣りましたが、これ実は非常に本質的なところです。つまり、指一本動かさなくても、スマホやPCといったデバイスに触れて画面を見たり操作をすることなく、指示を出して情報を得たり機能を実行できるというところにアレクサ(というかスマートスピーカー全般)の本質があると筆者は考えます。

音楽を掛けたままベッドに入り、「アレクサ、おやすみ」の一言で停止させられる。寝る前に気になったことをリマインダやリストに登録できる。目覚めの時間にアラームを掛けられる。せっかく入ったベッドから起き出すことがありません。

これは健康な成人にとっては「その程度のこと」で済みますが、老齢や怪我や病気(インフルで寝込んでいると考えてもらっても分かると思います)で身体を起こすのも大変というシチュエーションを考えてみれば、アレクサの応用範囲の広さがイメージできるかと思います。

デバイスやアプリの操作ではなく、日常的な言語を用いた音声コミュニケーションでやり取りができるということも世代や知識の有無によるデジタルディバイドを和らげる事に繋がります。

より多くの場所にアレクサのようなスマートスピーカーがインストールされ、人間とのやり取りを行う事になれば、それらは重要なバリアフリー化のひとつとして認識されることになるでしょう。

もちろんそうなるのは今はまだ将来の話ですが、その将来が20年後なのか、10年後なのか、それとも5年後なのかを断言することは困難です。ですが携帯電話が、インターネットが、スマートフォンが生活の一部として定着したように、アレクサのようなスマートスピーカーが日常の風景となる将来は決して絵空事ではないのです。

次回はアレクサのもたらる新しい音楽の聴き方について考えてみます。

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