多くの野生動物が「人間を避けるため」夜行性に移行しつつある
「生きている人間が一番怖い」ということを野生動物たちも学び始めたようです。詳細は以下から。
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この地球の生態系の頂点に君臨する人類。その事実を裏付けるように、野生動物たちが人間の前から姿を隠すようになっているということです。
以前から野生動物が人間との接触を避けるため、餌を探す時間を減らしたり用心深くなったり、人間のいないエリアへと移動するこは広く知られていました。
ですが、ハイキングやキャンプといった自然の中で楽しむアウトドアレジャーなどによってすら野生動物は恐怖を感じ、より夜間の活動を増やしていたことが最新の研究で明らかになりました。
この研究を主導したカリフォルニア大学バークレー校の生態学者Kaitlyn Gaynor博士は、「私達はハイキングなどで痕跡を残さないように注意しているつもりかもしれないが、人間が出現したという事実は長く残りうる」としています。
Gaynor博士らのチームは6大陸の62種類の生物に関する76の研究を分析しました。この動物にはタンザニアのライオンやブラジルのカワウソ、カリフォルニア州のコヨーテ、ポーランドのイノシシ、ネパールの虎などが含まれます。
研究者らは、周囲の人間が狩猟、ハイキング、農業などの異なった営みを行う状況において、動物が夜間にどれくらいの時間活動するかを比較しました。
それによると、平均して人間の出現がトリガーとなって約20%ほど夜間の活動が増加したとのこと。これは元々夜行性ではない動物でも同様の結果が現れました。
この研究の注目点は、森林伐採や騒音のように人間の目から見ても明確に分かるような活動を行っていなくとも、野生動物が人間の存在を感知して行動を変化させているということ。
特にハイキングなどは、近年では生態系への影響を最小限に抑えるべきだという意識が強まっていますが、それでも少なからず影響があるということになります。
もちろん、だからといって自然の中に入り込むアクティビティを抑制するべきという結論に飛びつくのはさすがに安直というもの。
生物の長い歴史の中で、動物たちは他の動物との関わりにおいて自らの生態を少しずつ変化させ、棲み分けながら生き延びてきました。
人間の側がむやみに自然を破壊し、生態系に影響を与えていこうとすることは戒めなければならないとしても、人間の存在自体が現在の地球環境のあり方であり、不要な遭遇を減らすために動物の側が生態を変化したのだとすれば、それはある種の適応とも言えます。
よりよい形での「共存」は人間の側からのみ行われることではないのかもしれません。
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