なまはげ→冬というイメージの強い男鹿半島ですが、夏がベストシーズンと言えます。詳細は以下から。
秋田といえば最初に出てくるのが「泣く子はいねがぁ~~!!」でお馴染みのなまはげ。そのなまはげで有名なのが男鹿半島なのですが、なまはげが実際に家々を訪ね歩く年越しの際に訪れるのは簡単なことではありません。
もちろん雪が降っていますから運転も慣れていなければ大変です。そしてなまはげはそもそも観光客向けのアトラクションではない土着の行事で、近年では地元でも、なまはげの風習自体が歓迎されない傾向が少なからずあるとのことで、本物のなまはげに触れる事はいろいろな意味でハードルが高いのです。
でもなまはげに触れてみたいという方のためには、このなまはげという文化を正しく伝えていくという目的で建設された「なまはげ館」を訪れてみるという選択肢もあります。
これはなまはげを生み、育み、伝承してきた男鹿特有の風土を紹介するために作られた資料館で、隣接する「男鹿真山伝承館」では、古い伝統としきたりを厳粛に受け継いでいる男鹿半島の真山地区のなまはげ習俗を実際に体験することもできます。
BUZZAP!取材班はこのなまはげ館と男鹿真山伝承館を実際に訪れてみたのですが、結果的に夏の男鹿半島が訪れるべきベストシーズンだという結論に至りました。前編ではまずなまはげの実態に迫ってみます。
男鹿半島は元々交通の便が悪い場所でしたが、新しく内陸部にできた「なまはげライン」を使うことでかなり快適に移動することが可能となっています。秋田市方面からだと国道101号線を北上し、途中で分岐しています。
途中には「なまはげ直売所」なる農林水産物の直売所も。いろいろなお店や施設になまはげの名前が付くようになれば、もうそこは男鹿半島です。
なまはげラインから表示に従って左折すると、「真山神社」の鳥居が。ここを潜ればもうすぐです。
こちらがなまはげ館。2013年にリニューアルオープンしたためモダンで綺麗です。年中無休で開館時間は8:30から17:00まで。入館料は大人500円となっています。
なまはげ館の説明と周辺の地図。いずれも徒歩で回ることができます。
不思議なオブジェを発見。
なまはげ館内部です。男鹿半島やなまはげの歴史について、実物を交えながら詳しい展示がされています。200人を収容できるなまはげ伝承ホールでは大晦日の夜の実際の映像を使った「なまはげの一夜」が上映されており、必見です。
そして圧巻なのが「なまはげ勢ぞろい」とされるコーナー。実際に男鹿半島の各地で使われていた110体&40枚の多種多様ななまはげの面がずらりと並んでいます。大阪の民族博物館を眺めているようなボリューム感に驚かされます。
なまはげというとひとつの種類だと思いがちですが、半島の中だけでこれだけのバリエーションがある「なまはげ文化」の奥深さにはただただ圧倒されます。時間を取ってひとつひとつじっくり見てみるのがよいでしょう。
次に男鹿真山伝承館でなまはげの実演を見てみます。この建物は男鹿地方の典型的な曲家(まがりや)民家がそのまま再現されているもの。こちらでは約30分に1回実演が行われ(時間は期間等で異なるためこちらで要チェック)ています。入館料は大人800円となっています。
やはりなまはげは大人気のようで、開演前からこのとおりの行列です。
なまはげというと、突然民家に乱入するようなイメージもあるかもしれませんが、実際にはまず「先立」という役目の人が訪れ、家の主人になまはげを入れてもよいかを問います。
そして招き入れてもよいと許可された後に2人の若い衆が扮したなまはげが叫び声と共に家に乱入してきますが、底から先も非常に緻密な手順があり、それに則ってこのなまはげという儀礼が行われます。
動画で見るその冒頭の場面はこんな感じです。
イメージだけだとなんとなく粗暴な鬼のような気がしてしまいますが、確かにそうした荒々しさを持ちながらも、間違いなく新年を迎えるに当たって行われる極めて厳粛な神事であることがよく分かります。
神話や民俗学などに興味をもっている人にとっては、ここでこの上ない体験ができることは間違いありません。
さて、なまはげの実演に圧倒された後はやっぱり秋田ですのでババヘラを食べたくなります。なまはげ館の前に出店されていてやっぱり行列になっていました。
なんと秋田県産メロンを用いたメロンアイスが限定発売されていました。
こちらがそのメロンアイス。見た目に涼しく、味わいもさらりとしたメロン風味でした。
せっかくなので奥の真山神社にも足を運んでみます。ここは古事記や日本書紀にも登場する武内宿禰によって始められたとする伝承のある極めて古い神社。その後修験道の霊場として長いこと栄えてきましたが、明治時代の神仏分離令によって神社となり、現在の真山神社という名前になったとのこと。
山の中に佇む山門は派手さこそないものの荘厳です。
社殿はもとより、取り囲む男鹿半島の森の深さに圧倒されます。
この先もずっと登っていけるとのことでしたが、今回はここまで。
後編では「北緯40度」の入道崎などを回ってみます。
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