京都の堀川商店街で、「本」をテーマに表現者やクリエイターをアシストする「堀川 AC Lab」の目指すビジョン

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アートとカルチャーをテーマとする堀川商店街を強力にバックアップする空間が面白い事になっています。

京都の堀川通りに面する堀川商店街は、前回お伝えしたようにアートとカルチャーをテーマにまさに再興しつつあります。

そんな堀川商店街の中に2018年5月に誕生したのが「堀川 AC Lab」。ここは大垣書店が京都府から委託され、アートやクラフト、交流、地域活性化などをテーマに運営しているギャラリー&イベント&ワークスペースです。



このスペースはアーティスト、クラフツマン、クリエイターなどモノづくりや表現にかかわる人を対象とし、展示やイベントのために「基本的に無料」で貸し出されています。期間に関しても1日から1週間、半月にまたがるものもあるなど非常に柔軟。

そして、大垣書店がコラボに際して掲げる「Hyaku Satsu Studio」という企画テーマが非常に面白いものとなっています。「Hyaku Satsu」は「100冊の本」を意味しており、内容は以下の通り。

これは、本屋さんがアーティストやクラフツマンのために企画するプロジェクト。特徴は、展示・プレゼンテーションといったこれまで通りの表現方法だけではなく、「本」がキーワードになっているところ。アーティストやクラフツマンがセレクトした100冊の本を作品と一緒に置くことで、その人自身のストーリーや作品の裏側が見えてきます。その「本」が媒体となってつながりが生まれ、コミュニティが生まれ、仕事が生まれます。作品だけでなく、本からも魅力を見出す場所。


ということで、京都を代表する書店がコラボし、今もなお紙媒体の本がこよなく愛される京都ならではの企画内容となっています。

「堀川 AC Lab」をプロデュースする大垣書店店舗開発室長の大垣守可さんにお話を伺うと、この場所を使用するに当たり、必ず1回はプレゼンテーションやトークショー、交流会などのイベントを開催する事を求めているとのこと。


これには上記のような、「堀川 AC Lab」で展示やイベントを行う人自身のルーツやストーリー、そして感銘を受けた作品の裏側が示されることでつながりやコミュニティが生じる事に加え、この堀川商店街という地に人の流れを作るという狙いもあるといいます。

それは「堀川 AC Lab」でのイベントを通じ、ここで表現されるアートやカルチャーが堀川商店街に人を呼び、さらに表現の場としてより広く知られていくことで堀川商店街自体の魅力が増し、より大きなムーブメントへとつながってゆくこと。

もちろんこの構想は夢物語ではなく、具体的に再来年を目処に堀川商店街に隣接するエリアに巨大なカルチャーの拠点が生まれることになっています。「堀川 AC Lab」はそのパイロット版としての役割も担っており、ここでの実績が新たな拠点へと受け継がれてゆくということです。

詳細が明らかになってくるのはこれからですが、非常に楽しみなことになっています。なお、現時点でこの「堀川 AC Lab」のスケジュールは年度末までほぼ埋まっているということで、関心の高さが伺えます。

さて、「堀川 AC Lab」を訪れた日は写真家の横山隆平さんの主催する「ものつくりびとの棚から~古本市~」というイベントが開催されており、筆者も参加していました。


「写真や現代美術、版画、染色、お菓子作り、映像、呑み屋、建築、グラフィックデザイン、編集者、イラストレーターなど多彩なジャンルのもの作りに関わる人の本棚からこぼれ落ちた古本が一堂に集まります」とのことで、それぞれの本棚から持ち寄られた古本が集まり、さらに作品の展示やワークショップも行われました。



奥の棚にずらりとセレクトされた古本が並びます。


どのような本を読んできたのかという歴史はその人の人となりを表すものですが、「部屋に置ききれなくなった本、昔は必要だったけどいまは読まないなぁという本、献本、なぜだかいっぱいある同じ本、だれかが勝手にアトリエに置いていった本、製作費捻のため泣く泣く手放す本」などの「本棚からこぼれ落ちた古本」というコンセプトは非常に面白いもの。





筆者も参加に当たって本棚からいろいろ探しましたが、どうしても手放せない本があったり、悩み抜いた末に断捨離に至ったりと、なかなか自分の内面を見つめ直させられました。

こちらに平積みになっているのは大垣書店とコラボした新刊コーナー。



こちらでは宙づりでデコレーションのようになっています。


参加したアーティストのいわゆる本業での作品も展示されていました。







展示即売も行われています。こちらは焼き菓子。


こちらのクッキー型も。


映画や美術展などのフライヤーなどから封筒を自作するワークショップも同時に開催されていました。


用意されたフライヤーの中から、柄やデザインを型紙を使ってリメイクしていくのは実にハマります。なんとなくもらってきて家に溜まりに溜まったフライヤーで自作してみたくなり、型紙を買ってしまいました…。


こちらのイベントは土日の2日間開催されたものですが、8月23日まで古本などの販売や展示は続いています。気になった方は堀川商店街を散歩がてらぜひ覗いていってみてください。

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