さすがにこれを叩くのは無理筋ではないでしょうか。詳細は以下から。
モデルでタレントのローラがユニセフに1000万円寄付をしたことを「セレブ気取り」などとけなした産経新聞社の発行するタブロイド判夕刊紙「夕刊フジ」の記事が大炎上しています。
◆夕刊フジのローラ記事が炎上
炎上しているのは8月23日に夕刊フジの公式サイトzakzak上に掲載された「迷走するローラ、どこへ行く? ユニセフ1000万円寄付に『セレブ気取り』の声も」という記事。
ローラはクオーターのエキゾチックな容姿と天然で奔放なキャラクターなどで親しまれてきたモデルにしてタレント。昨年、所属事務所の「LIBERA」からの独立騒動が報じられましたが、今年になって和解。現在はロサンゼルスを拠点としています。
独立騒動の後はCMへの出演やInstagramなどを中心に活動していますが、夕刊フジとしては「これまでのキャラからは思いも及ばない世界へと踏み出している」ことがどうにも面白くない様子です。
◆サマソニでの動画の炎上を指摘
まずは「SUMMER SONIC 2018」で謎の炎上を起こした、ローラがInstagramのストーリーに投稿した「腹筋」動画について紹介。この騒動自体も完全に「どうでもええやん」案件であることはまず明確に指摘しておきましょう。
ネット上などでは「アーティストに対して失礼」「ファンの人らに流石に失礼」のような完全に明後日の難癖も飛び出していたようですが、フェスでどのように音楽を聴こうとその人の勝手です。野外フェスではライブ中に椅子に座ってビールを飲みながら友達とおしゃべりをしている人も大勢いますが「失礼」などという間抜けな批判は誰もしません。
結局ここでもローラを叩きたい人が「アーティスト」や「ファン」を利用しているに過ぎませんが、その騒動をさらに夕刊フジが利用するという図式になっています。
◆社会貢献を「セレブ気取り」
これに続いて夕刊フジはローラが「最近は社会貢献活動にも関心があるようで、5月にはプラスチックごみの問題に言及」している事を指摘。素晴らしいことで批判するような要素は皆無です。
さらに8月12日の投稿で、イタリアで行われたユニセフのイベントに参加して「わたしはいま頭の中が子供達や動物の幸せと地球をまもることでいっぱいです」「今回は自分ができる事として1000万円を寄付する事にしました」と報告したことを紹介。ますます素晴らしいことで他人に咎められるような事は何ひとつ行っていません。
なぜかここで夕刊フジは「しかし、これには賛否の声が」などとして匿名の芸能サイト編集者の批判があるとの指摘を並べ立てます。それが「セレブ気取り」「ほかにやることがあるのでは」というもの。
ロサンゼルスに3億円の豪邸を建てるローラはセレブと呼んでいい存在でしょうし、「ほかにやること」が何であるかは記事のどこでも指摘されません。結局夕刊フジは、批判と呼ぶ価値もない単なるやっかみ半分の難癖を持ち出してローラを叩いて見せているわけです。さらにこの「編集者」は
「ハリウッド作品に出演するなど海外志向を強めているローラだけに、その活動も海外セレブを意識しているのは確か。海外のスターたちは、稼いだカネを社会貢献活動に費やすことが普通ですから、そういった行動に感化されているのでしょう」
としていますが、自分の稼ぎを社会貢献活動に費やすことのどこがどうおかしいのか、批判すべきなのかについては何ひとつ語れていません。
◆出る杭を必死に打とうとする醜悪さ
記事の最後を「いったい、どこに行ってしまうのだろう」というトンチンカンな一言で締めた夕刊フジに対してツイッター上では「セレブ気取り」がトレンド入りし、批判コメントが溢れて炎上しています。
ローラがいつの間にか夕刊フジが「おバカな天然タレント」として消費して笑えるレベルを超えてしまっていることへの「焦り」や「いらだち」なのでしょうか。それとも夕刊フジ読者層の現在のローラへのそうした「焦り」や「いらだち」を記事として具現化したということなのでしょうか?
ネットでは、こうした記事が作られた理由として、出る杭は打ちたい、自分と同じ泥沼から出ようとする人の足は引っ張りたいという欲求を持っている人が日本社会には多いからではないかといった指摘も出ています。
古くはX JAPANのhideが難病の少女との出会いから骨髄バンクに登録し、骨髄バンクのチャリティー活動に参加するようになった際にも「売名行為だ」というバッシングが起こりました。
同様に、社会貢献活動や慈善活動、ボランティアなどに参加する人を「売名」「気取ってる」、酷い時には「偽善者」とバッシングする人は日本では(特にネット上では)珍しくありません。
ただし東日本大震災以降はそうした風潮も少しずつながら変わってきており、今回のローラの記事に関してもバッシングはほぼローラではなく夕刊フジに向けられ、大炎上となっています。
夕刊紙がセンセーショナルなトピックに飛びつきがちなことは今に始まったことではありませんが、さすがにもうこんな醜悪な「善行バッシング」はやめにした方がよいのではないでしょうか?
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