いかにもアメリカ合衆国らしい銃への強いこだわりを感じさせる決定です。詳細は以下から。
◆銃乱射事件で「暴力的ゲーム」が再び槍玉に
8月3日にアメリカ合衆国テキサス州エルパソのウォルマートで自動小銃を持った白人男性がショッピングモールの買い物客に向けて銃を乱射する事件が発生。この銃撃で22人が死亡し20人以上が負傷しました。
犯人はヒスパニック系移民に対する差別や排除の書き込みをネット上の掲示板「8chan」に行っており、FBIはヘイトクライムとしての起訴を視野に捜査を進めています。
加えてこの1週間の間にオハイオ州デイトンでは9人、カリフォルニア州ギルロイでは3人が殺害される銃乱射事件が発生しています。
繰り返される銃乱射事件を受けて既にアメリカ合衆国内では研究が進んでおり、暴力的なゲームと銃乱射事件の関連性は見出せないと複数の研究結果が出されています。
しかしトランプ大統領はこうした研究結果に反して8月5日朝の演説で「我々は暴力を美化することを止めねばならない。残酷で不気味なテレビゲームが世間に広まっている」と発言。
加えてカリフォルニア州のケビン・マッカーシーや、テキサス州副知事のダン・パトリックなどの共和党議員らが暴力的なゲームが銃乱射事件の引き金になっていると主張しています。
◆ウォルマート「暴力的ゲームのディスプレイは自粛するけどゲームも銃も売るわ」
こうした流れを受けて、世界一の小売業であるウォルマートが店内での暴力的なテレビゲームのデモンストレーション映像のディスプレイを自粛する方針を固めました。
Apparently Walmart is telling its employees to take down displays that show violent video games, specifically shooters, as well as movies and hunting videos. pic.twitter.com/2N3t4B86tf
— Kenneth Shepard (@shepardcdr) August 7, 2019
ウォルマートではこうしたデモンストレーション映像での発砲音を、客らが本物の銃声と聞き間違えるケースが発生していたとのことです。
また、ウォルマートは家電部門で暴力的な映像をテレビで流すことも自粛するとのこと。同様にスポーツ用品部門では狩りの映像も流さないようにします。
ですが、CNNによるとウォルマートはこうしたデモンストレーション映像のディスプレイを自粛するのみで、暴力的なゲームの販売自体は継続するとのこと。
またウォルマートは世界最大の銃と弾薬の販売者で、今回の銃乱射事件に関して銃の販売を止めるようにとの抗議の声も上がっていますが、本物の銃はこれまで通り販売を続ける方針です。
自社店舗で銃乱射事件が発生したとは思えない、なんともアメリカ合衆国らしい対応策ですが、これで銃乱射事件を減らせるかについては疑問符が付きそうです。
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