ラウドスピーカーを使って死滅した珊瑚礁を復活させる実験が成功



気候変動の影響で死滅の続く珊瑚礁、いったいラウドスピーカーをどのように使って復活させようというのでしょうか。詳細は以下から。

2016年と17年にオーストラリアを襲った熱波の影響で、50%もの珊瑚が死滅してしまった世界有数の珊瑚礁であるグレートバリアリーフ。

この珊瑚礁を復活させようとイギリスとオーストラリアの研究者らがラウドスピーカーを用いた実験を成功させたことをジャーナル「Nature Communications」に発表しました。


それにしても、ラピーカーを珊瑚礁に沈めていったい誰に何を聴かせようとしているのでしょうか?

スピーカーから流された音は「健康な珊瑚礁」で発生する様々なノイズです。通常、珊瑚礁には多種多様な生物が生息しており、珊瑚礁を中心とした複雑なコロニーを形成しています。

スピーカーは実際の「健康な珊瑚礁」からエビなどの甲殻類や魚類がたてる生活音をフィールドレコーディング。これらのサウンドスケープを死滅して生き物たちが去り、音のしなくなった珊瑚礁で再生したのです。

すると、音を流した珊瑚礁ではそうでない珊瑚礁に比べて50%も生物が増加しました。内訳としてはプランクトンや海藻を食べる魚、肉食の魚、そしてオオグソクムシのような分解者など、生態系の全般で増加が見られたとのこと。

加えて重要なことに、魚たちはその場所に住み着いて暮らし始める傾向を見せたということです。


もちろんラウドスピーカーの設置によって珊瑚礁が直接復活するわけではありません。ですが珊瑚礁はひとつの生態系であり、魚や甲殻類、分解者などの存在は必須。生き物たちが戻ってくることで珊瑚礁復活の第一歩が踏み出されるとのことです。

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