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幻覚作用を持つ物質の研究開発を行っているCaaMTech社が絶対にバッドトリップに陥らないマジックマッシュルームの開発に着手しています。
マジックマッシュルームはかつては危険な幻覚作用のある薬物という認識でしたが、この数年の研究で重篤なうつ病を緩解させるなど、精神的な疾患に効果があることが判明してきました。
これによってマジックマッシュルームの「鼻スプレー」が開発されるなど、薬品としての価値が大きく見直されており、今回のCaaMTech社の開発もこうした研究成果を受けたもの。
マジックマッシュルームの有効成分はシロシビンと呼ばれる物質であることは広く知られていますが、天然のキノコであるマジックマッシュルームにはそれ以外の物質も広く含まれており、それらが加算されて従効果を生み出す可能性が指摘されています。
CaaMTech社はこの仮説をもとに研究を続けてきており、これら組み合わせによって不安やパニックを伴うバッドトリップを完全に回避できると考えており、同社の創始者であるAndrew Chadeayne氏はカギとなる物質がAeruginascinであると指摘します。
これは1989年に発表された、マジックマッシュルームを誤食してしまった人の経験を分析した論文をもとにしています。
そこには多くの誤食者が不安やパニック、きわめて不快な気分といったバッドトリップを味わっていたことが記されていましたが、「Inocybe aeruginascens」という種類のマジックマッシュルームを誤食した人は極めてポジティブな経験をしたとされています。
この「Inocybe aeruginascens」が唯一Aeruginascinという物質を含有していることから、この論文の著者のJochen Gartz氏は「Aeruginascinがシロシビンの薬理作用を加減し、摂取中の気持ちを常に多幸感に満ちたものにする」と結論付けています。
この研究はサンプル数が少なく、正統な科学的手法に基づいていないという問題に加え、Aeruginascinがトリメチルアンモニウムの構造を持つことから血液脳関門を通過できないため、向精神性を持てないのではないかという大きな疑問があります。
ですがChadeayne氏は、同社の最新の研究でAeruginascinが分解されてできる代謝物の4-OH-TMTが血液脳関門を通過し、多くの幻覚作用を持つ物質と同じセロトニン受容体に結合することを発見したと主張。とはいえ、この研究成果は現時点では論文として発表されていないため詳細な検証はできない状態です。
いずれにせよ今後さらなる研究が必要となりますが、実際にバッドトリップしないマジックマッシュルームが開発されればうつ病の治療薬としての安全性がさらに向上することになりそうです。
(Photo by Zhi virgo)
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