ジャコウネコのウンコから採取したコーヒー豆「コピ・ルアク」は最高級のコーヒーとして愛されていますが、こちらは象のウンコでジンを作ってしまいました。詳細は以下から。
「Indlovu Gin」は南アフリカ共和国産のプレミアム・ジン。イギリスでそれぞれ生物学の教授であったAnsley夫妻が退職後に移り住んだ南アフリカで、地域のコミュニティをサポートする事業を模索する中で生み出されたものです。
現在ふたりは象の排泄する植物性の成分を用いてジンを作る蒸留所「IBHU」を経営していますが、そこで作られるジンはその原料から想像するのとは全く違った風味を醸しだしています。
このジンが作られるきっかけとなったのはふたりが動物保護区を訪れた時のこと。案内してくれたレンジャーが、像は食べる餌の実に半分しか消化しておらず、残りは無傷のままウンコとして排泄されると教えたのです。
ジンを愛するLes Ansley氏は、象に最高の材料を探してもらって、それをフレーバーにしたジンを作ってみてはどうだろうかと考えました。
ふたりとも蒸留酒を作る経験はありませんでしたが、それでも2018年にふたりは「Indlovu Gin」の発売にこぎつけたのです。
ふたりはまず西ケープ州の鳥獣保護区に連絡し、象のウンコを送ってもらうことにしました。話はとんとん拍子で進み、ふたりは研究を開始。
最初にウンコは乾燥されて殺菌プロセスに入ります。その後すすがれて再度乾燥され、ジンに煎じ込められます。
「Indlovu Gin」ではオーソドックスなジンで使われるジュニパーやコリアンダーとは別に、アロエやアカシアを含む象のウンコから採取された様々な植物がフレーバーとして用いられています。
なお、「Indlovu Gin」にはGPS座標と日付が付けられており、いつどこのウンコから採取されたフレーバーなのかが分かるようになっています。Les Ansley氏は「きっとそれで香りが少し変わるはずさ」と述べています。
このジンが製品化されたのは2019年11月のことで、アフリカとヨーロッパ諸国の市場に展開しています。当然最初は賛否両論だったとのことですが、実際に飲んでみた人の評判はよく、人気になっています。
Ansley氏らはこのジンの売上の15%をAfrica Foundationに象の保護のために寄付しており、飲めば飲んだだけアフリカの像を助けるための資金になるとのこと。
「Indlovu Gin」は日本からも南アフリカワイン通販サイト「アフリカー」から購入可能です。変わったお酒にチャレンジしてみたい人、家飲みのスパイスにいかがでしょうか。
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