【追記あり】ソフトバンクが楽天モバイル提訴、基地局の使用差し止めや1000億円規模の損害賠償請求でエリア縮小のおそれも


今年3月に楽天モバイルが日本郵政から受けた大規模出資(1500億円)の大半が吹っ飛びかねない訴訟をソフトバンクが起こしました。詳細は以下から。

ソフトバンクのプレスリリースによると、同社は本日付けで楽天モバイルおよび楽天モバイル元社員(今年1月に逮捕)に対し、元社員がソフトバンク退職時に持ち出した営業秘密の利用停止および廃棄、ならびに約1000億円の損害賠償請求権の一部として10億円の支払いなどを求める民事訴訟を東京地方裁判所へ提起したそうです。

楽天モバイル元社員は2021年1月12日に不正競争防止法違反の容疑で警視庁に逮捕され、2月2日に同法違反の容疑で起訴済み。

ソフトバンクは昨年11月に東京地方裁判所へ楽天モバイルに対する証拠保全申立てを行い、12月には楽天モバイル元社員が当社から持ち出した営業秘密の利用停止などを求める仮処分命令申立てを行っています。

なお、楽天モバイルの業務用サーバー内に保存され、社員に対して開示されていたとソフトバンクが主張する営業秘密は実際に楽天モバイルが保持しており、楽天モバイルはファイルについて裁判所やソフトバンクに提出後、全て廃棄したと主張。

しかしソフトバンクは訴訟を通じて、楽天モバイルが不当な利益を得て営業上の利益を侵害したこと、不正競争により建設された基地局等が存在することを明らかにすべく、不正競争防止法に基づき下記の請求を行うとしています。

楽天モバイルおよび楽天モバイル元社員に対する損害賠償請求(不正競争防止法第4条)
楽天モバイルの不正競争により建設された基地局の使用差止請求(同法3条1項)および廃棄請求(同法3条2項)
楽天モバイル元社員が当社から持ち出した電子ファイル等の使用・開示差止請求(同法3条1項)および廃棄請求(同法3条2項)

請求額については、今後の審理の状況に応じて拡張することがあります」と、追及する姿勢を一切崩すつもりのないソフトバンク。

楽天モバイルが「日本の携帯電話は高すぎる」とブチ上げ、リーズナブルなサービスを前面に押し出せたのは多額の資金と時間を投じたソフトバンクの営業機密を不正に取得したおかげ……という結論にならないことを祈るばかりです。

・16:00追記
楽天モバイルが提訴を受けたコメントを発表しました。「営業秘密を業務に利用していない」「裁判において当社の正当性を主張してまいります」とのことです。

本日、ソフトバンク株式会社より楽天モバイル株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長:山田 善久)に対して、訴訟を提起したことが公表されました。

本件について当社では社内調査を実施してきておりますが、ソフトバンク株式会社の営業秘密を当社業務に利用していたという事実は確認されておりません。

当社では訴状の送達を受け次第、内容を精査の上、裁判において当社の正当性を主張してまいります。

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