「しあわせって何だっけ」は昭和生まれなら誰もが知る明石家さんまの大ヒット曲ですが、実は幸せに収入が大きく関わっていたという身もふたもない研究結果が出されました。詳細は以下から。
魂が燃え上がるような幸せを人は求めがちですが、ジャーナル「Social Psychological and Personality Science」に掲載された研究によると、大切なのは幸せの強さではなく頻度で、そこには収入が深く関係していました。
研究を主導したJon M. Jachimowicz博士は収入と幸せの関係は自由時間の使い方で説明ができるとします。
低所得層はテレビ(今ならネトフリなども)視聴やゴロ寝といったな受動的な楽しみを選びがちで、高所得層ほど社交や趣味の練習など能動的な楽しみを選ぶと指摘。
受動的な楽しみは「快楽順応」、つまり楽しみに慣れて徐々に幸せを感じなくなる一方、習慣的で意識的な楽しみは瞬間の強さこそ低くても、頻繁に幸せを感じてよりよい人生の充足感をもたらします。
実験では394人の成人に1日3回30日間、楽しさ、活力、熱中、安らぎ、平穏、満足などを感じたかを調査。ここから幸せの頻度と強さを測ったところ、高所得層ほどより頻繁に幸せを感じましたが、幸せの強さには影響しませんでした。
加えて収入が頻繁な幸せを通じて人生の満足度に関係していることもあきらかに。つまり、熱烈で強烈な幸福感ではなく、より頻繁に幸せと感じることが重要ということになります。
こうした実験結果から、研究者らはさらに大量のデータから収入と幸福の強さと自由時間の活動、その間に感じる幸せについて調査を実施。
その結果、やはり低所得層ほどテレビ視聴やゴロ寝のような受動的な楽しみに使う時間が多く、幸せを感じる頻度が低いことが明らかになりました。
Jachimowicz博士は「金は幸せの強さではなく頻度を通じて人に幸福をもたらす」としており、低所得層は幸せになるためにより能動的な楽しみを求めるべきだとします。
もちろん長時間労働で疲れ果て、能動的な楽しみに使う時間も気力も体力もカネもないという貧困問題がハードルとなっていることは間違いありません。
だからこそ刹那的な享楽に溺れたくもなるのかもしれませんが、人生全体の満足度にはつながりにくいことは覚えておいた方がよさそうです。
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