厳しい運動や食事制限で苦しまずに、毎週の注射で簡単にやせられる時代がやってくるかもしれません。詳細は以下から。
今回アメリカ食品医薬品局(FDA)が承認したのはセマグルチドというやせ薬。
以前Buzzap!でも報じましたが、実験では週1回の皮下注射を68週続けて被験者らは平均15.3kgの体重減を達成し、そのうち35%が体重20%以上を減量できたという優れものです。
実験68週目に被験者の86.4%が自身の体重の5%、69.1%が10%、そして50.5%が15%の減量に成功していました。なお投薬と並行し、栄養士から食事や運動についてのカウンセリングも定期的に行われています。
別の実験ではセマグルチド投与グループが平均14.9%の体重減となった一方でプラシーボ(偽薬)のグループは2.4%減にとどまるなど、明確な差が確認されています。
セマグルチドはGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)と呼ばれるホルモンの働きを模倣したもの。満腹時に腸から血流に乗って分泌されてすい臓でインスリンの分泌を促し、これによって血糖値が下がる仕組みです。
この際に食欲も抑制されるため、すでに一部では新たなダイエット薬として期待されていますが、その効果が明らかにされたことになります。
なお被験者らは体重減少だけでなく、肥満度指数も平均で5.54低下。ウエストサイズや血糖値、血中脂肪、血圧などのリスクファクターも改善し、心臓病や糖尿病の危険度も低下するなど、肥満全体に効果が見られています。
ただしセマグルチドは吐き気、下痢、便秘などの副作用が生じる場合もあるため、残念ながらノーリスクというわけにはいきません。加えて販売価格が月額1300ドル(約14万円)にのぼる可能性もあるとのこと。
アメリカ合衆国では貧困層ほどジャンクフードを食べて肥満に陥る傾向が指摘されていますが、そうした層にどこまで届くかには疑問符も付きそうです。
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