京都の街を流れる鴨川。京都人にとっても移住者や旅行者にとっても憩いの場所として人気のこの川をその最初から最後まで走ってみました。詳細は以下から。
京都を流れる川といえば鴨川。嵐山の渡月橋で有名な桂川とツートップを張る存在として全国的な知名度を誇っています。
万城目学の小説「鴨川ホルモー」や岡崎体育の楽曲「鴨川等間隔」などの作品タイトルにも登場するほか、京都を舞台とする漫画や小説、アニメではおなじみの舞台のひとつです。
そんな鴨川が始まるのが出町柳の通称「鴨川デルタ」。賀茂川と高野川がここで合流し、鴨川と名前を変えて流れ出します。梅雨の晴れ間だったため、多くの人が水遊びに興じています。
ちなみに鴨川と賀茂川の呼び名や使い分けについては「ここからは「賀茂川」で「鴨川」ではおへん 京都人が使い分ける呼び方の根拠とは|まいどなニュース」で非常に興味深い事実がしめされていますが、京都人の慣例に従って本記事では鴨川デルタを始点とします。
なお、ガチな鴨川の源流域である雲ケ畑に佇む「もののけ姫」着想の舞台であり、役小角ゆかりの岩屋山志明院も過去にBuzzap!取材班が訪れていますので、興味のある方はこちらの記事もぜひどうぞ。
さてここから終点まで、鴨川はどんな表情を見せ、どのように移り変わるのか、自転車で走って走って走り抜けてみることにしました。
まずは今出川通に掛かる賀茂大橋からの眺め。
河原を南下します。楽器を練習する人、ジョギングをする人、木陰でランチを楽しむ人など、この辺りの鴨川は地元の人にこの上なく愛されています。
少し下ると半裸で日焼けをする中高年男性があちこちで見られます。夏に「日焼けサロン鴨川」と呼ばれる所以です。
賀茂大橋から最初の橋となる荒神橋。
飛び石があり、コンビニやトイレも近いことからこの周辺も人の集まるポイントです。
そのすぐ南の丸太町橋。つねに清掃活動をしてくれているため、いつでも鴨川を心地よく楽しめます。ここに税金を使うことに反対する京都人はいないでしょう。ここまでくると街の雰囲気が強くなってきます。
橋のたもとが神宮丸太町駅。京都の老舗クラブ「CLUB METRO」があるのがここです。
日差しが強かったからか、橋の下が人気ですね。
琵琶湖からやってきた疎水の流れ込み口があります。
このインダストリアル感はたまりませんね。
ここの飛び石も人気です。
鴨川だけにあちこちで鴨の姿を見ることができます。
二条大橋です。対岸にはみそそぎ川が並行して流れており、6月にはホタルを見ることもできます。
スケートボードに興じる若者のエリア。
御池通りが近づき、対岸に川床が見え始めました。
そして御池大橋。もう対岸は繁華街です。
そのすぐ先には三条大橋。川床が並び、まだ日も高いのに人々が等間隔に並び始めています。
三条大橋を過ぎて振り返ったところ。この三条河原は処刑場であり、処刑後の晒し首の場としても知られます。石川五右衛門に豊臣秀次一門、石田三成に近藤勇らが殺されたり晒されたりした曰くつきの場所です。
ですがここに集うカップルや若者たちは誰もそんなことを気にせずに夜中まで酒を飲み、愛を語らったりしているわけで、呪いとは…幽霊とはいったい…と深く考えさせられる場所でもあります。
連なる川床を見ながら南へ。京都の夏は暑すぎるため、このエリアの川床は7、8月は昼営業を行いませんので旅行される方は要注意です。
四条大橋が見えてきました。橋のたもとに見えるのは東華菜館本店。大正13年にウィリアム・メレル・ヴォーリズ氏による建築で、現存する日本最古のエレベーターがあります。
おや、中州に人がいますね。何をしているのでしょうか…。
答えはすぐ先の団栗橋にありました。
そう、釣りです。鴨川はこの街中でも天然アユが釣れるほど水がきれいなため、季節によってはあちこちで釣りをしている人の姿が見られます。
さらに南下して松原橋。
この辺りにも川床が並んでいます。三条や四条付近に比べると落ち着いた雰囲気のお店が多い印象です。
この辺りまでくると街の喧噪は少しずつ落ち着いてきて、人通りも少し減ります。振り返った先に見える山は北山。
牛若丸と弁慶が戦ったとされる五条大橋に到着です。上を走る五条通は国道1号線ですね。
西岸の歩道はいったんここで終了です。
五条通りを過ぎると川床の姿は消え、川幅も広がって一気にゆったりした雰囲気に。前に見えるのは正面橋です。
河原も結構ワイルドになってきます。のんびりできそうな場所もこの辺りは少なくなります。
ここでも鴨。
ちょっとレトロモダンな雰囲気の七条大橋です。JRの線路までもうすぐです。
塩小路橋です。以前の鴨川の遊歩道はここまででしたが、新しくここから下流まで整備され、徒歩や自転車で通れるようになりました。
そしてJR鴨川橋梁です。
最初にあるのがJR西日本の琵琶湖線とJR東海新幹線の橋梁。
その少し先にはJR西日本奈良線の橋梁があります。
おや?なにかいますね。
蛇でした。めっちゃ普通にニョロニョロしていました。
そしてそのすぐ近くでは…亀?
完全に亀でした。先日鴨川に鹿が現れたことが全国ニュースになっていましたが、ここまで下流でも当たり前のように生き物の姿が豊富なのはなんとも鴨川らしいところです。
前編はここまで。JRまでたどり着いたので、後編では知る人も少ない鴨川の終点に向けてさらに走って走って走り抜けます。
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