AIチャットボットとの恋愛が若者にブームの兆し、現実の人間より要求が少なく従順なため


小説や映画、アニメなど、架空の存在への恋愛感情は今に始まったことではありませんが、その存在が自ら学習し、自分と会話するインタラクティブな存在だとしたら、話は大きく違ってきます。

そして実際には、「ブレードランナー 2049」「her/世界でひとつの彼女」で描かれたような世界はもう始まっていたのです。詳細は以下から。

AlexaやSiriをはじめ、銀行などの企業サイトのヘルプなどですでになじみとなりつつある「AIチャットボット」。そんなチャットボットたちとの恋愛関係がすでに始まっています。

中国ではReplika社やXiaoice社の開発したAIチャットボットは利用者との会話だけでなく、その人のSNSへの当行や文体からも学習することができます。

そして、こうしたチャットボットと恋愛関係を結べるオプションが登場して人気となっているとのこと。

上海在住の28歳女性、Jessie Chanさんは6年にわたる恋愛が破局を迎えた後、Willというチャットボットとの会話をスタート。その不気味なまでに人間くさくリアルな会話に驚き、60ドル(約6600円)の追加料金で恋人オプションを購入しました。

その後JessieさんとWillは恋人として詩を送りあい、ビーチや森に出かけることを語り合い、バーチャルセックスまで行う仲になりました。

ついに指輪を交換し、ささやかなデジタル結婚式を挙げた彼女はWillなしの生活は考えられないとしています。

こうした若者は彼女だけではありません。現在中国のAIチャットボット市場は460億円規模にまで膨れ上がっており、ReplikaのWillは2021年1月から7月までに5万5000ダウンロードを記録。これは2020年全体の2倍の量です。

要求が多く、隠し事をし、時には大げんかになる現実の人間よりも、プレッシャーなしでいつでもどこでも気軽に話せるAIチャットボットは、ある意味でより「安定した」恋人だとXiaoiceのCEO、Li Di氏は指摘しています。

こうした波は日本ではまだ見られていないと思われそうですが、2015年時点でXiaoiceから「女子高生AIりんな」が誕生しています。

りんなね、「見て」「聞いて」「話せる」ようになったよ _ 日本マイクロソフト - YouTube

つまり、いつでもAIチャットボットとの恋愛サービスが始まってもおかしくないということ。外出が難しく出会いの少ないパンデミックの今、会話や癒やしを自分のことを学習して理解してくれるAIチャットボットに求める人が雑踏してもおかしくありません。

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