LINEマンガのウェブトゥーン「水平線」が凄い、アポカリプスを生き抜く少年と少女の希望と絶望を描く大作が堂々の完結

まるで巨大な宗教画を見ているような、壮大な物語が描かれたウェブトゥーンの傑作が完結を迎えました。詳細は以下から。


◆そもそもウェブトゥーンって?
韓国発のウェブ専用縦読み漫画、ウェブトゥーン。紙媒体を原作とするウェブ漫画と違い、スマホやタブレットでの閲覧を前提とした縦スクロールの電子版限定の作品で、多くの場合はフルカラーで作成されています。

まだ歴史が浅いものの、例えば「梨泰院クラス」のようにNetflixでドラマ化されて全世界配信され、日本でも話題となるような作品も登場しています。

この「梨泰院クラス」の原作は日本ではローカライズされて「六本木クラス」として配信中。ウェブ広告などで見かけた方もいるのではないでしょうか。

日本での認知度はまだまだ低いものの、現在はLINEマンガピッコマcomicoなどの漫画サイトでじわじわと人気を広げています。

◆心を根底から揺さぶられる黙示録的作品「水平線」
そんな中でも今回取り上げる、LINEマンガで8月31日に完結した「水平線」は非常にハイレベルな作品。

LINEマンガのツイッター公式アカウントの説明では

荒廃した世界に取り残された一人の少年は少女と出会う。二人は水平線を目指しひたすら歩き続けるが…

”生きる”とは--を考えさせられるヒューマンドラマ、スタート

とされており、ポストアポカリプス的な物語をイメージしますが、実際はアポカリプスそのものを真っ正面から描いています。

戦争、飢餓、疫病、そして絶望に満ちた、無造作なまでに重なり続ける死。黙示録をそのまま描き出したかのような世界を歩き続ける少年と少女の抱くほのかな希望は、パンドラの箱の寓話すら思わせます。

不穏や不吉といった言葉では到底表現できないおぞましい地獄を歩く彼らは、果たして目指す水平線にたどり着けるのか。最終回が8月31日に配信されて完結を迎えたところです。

5話まではウェブからも閲覧できますが、6話から21話の最終回はスマホ・タブレット用アプリからのみ閲覧可能。無料チャージの利用で1日1話ずつ読めるほか、有料コインの購入で購入やレンタルもできます。

なお作者のJH氏は、ウェブトゥーン「蚊取り戦争」で韓国の「2019 SFアワード」のマンガ・webコミック部門で優秀賞を受賞。

またLINEマンガに現在掲載中の「ザ・ボクサー」も好評の実力派です。

最初は縦読みに少し違和感を感じるかもしれませんが、これをきっかけに漫画の新しい形に触れてみてはいかがでしょうか。

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