ウェブ漫画「妻の飯がマズくて離婚したい」、食を巡るすれ違いがホラー級で話題に



老若男女、誰もが日々口にする食事。そんな食事に対する考えが違いすぎる夫婦を描いた作品が議論百出の話題となっています。詳細は以下から。

◆食をテーマに、価値観正反対の夫婦を描く「妻の飯がマズくて離婚したい」
「いつでも、どこでも、ママに寄り添う情報を」をテーマにした、母親向けウェブサイトmamastaで連載の始まった4コマ連載漫画「妻の飯がマズくて離婚したい」という、タイトルからすでに炎上の気配が漂う漫画が物議を醸しています。


主人公は3人の子供を持つ、料理が苦手な兼業主婦のミナミさん。内容は「この漫画はママスタコミュニティに寄せられた体験談やご意見を元に作成しています」とのことで、作者の経験ではなく投稿された体験談に基づくもの。現在サイト内ランキングを総ナメ状態となっています。


その中で語られるのは「どうせお腹に入れば同じ」という哲学を持ち、何か言えば「文句あるなら食べなくていい」とする母親に育てられたミナミさんの歴史。

一方で夫のアツシさんは裕福ではないものの「お金を掛けずに手間をかけて」を哲学に、自炊も外食や出前も家族の「特別な時間」とする家庭で育ち、料理好き、美味しい物好きとなった男性です。

このふたりが出会って小さな違和感を抱えたまま結婚して3人の子持ちとなり、育児と将来のための節約を考えながらやりくりをがんばる中で、すれ違いが離婚の危機にまで発展していきます。

ということで、単に料理の上手い下手、好き嫌いというレベルを超えた家庭崩壊の危機が描かれているのですが、危機の根底にあるのが誰もが避けて通れない食の問題であり、根本的な哲学の違いであることからまったく先が読めないものになっています。

これは藤子・F・不二雄のSF短編集の名作「ミノタウロスの皿」の名言、「言葉は通じるのに話が通じないという…これは奇妙な恐ろしさだった」が悪気のないままに日常に入り込む、ある意味ホラーとも呼べるもの。

最新の23話では、夫婦の物語だったところにミナミさんの親友、トウコさんが登場。鋭いツッコミを入れており、物語はさらに展開していきそうです。

◆ネットではどちらが悪いかにとどまらない意見が続出
なお、ネット上ではミナミさんの母親の「どうせお腹に入れば同じ」という発想は、いわゆる食育に関するネグレクトに近く、「文句あるなら食べなくていい」の口癖は児童虐待だとの指摘も。


こうした発想をそのまま受け継いだミナミさんは、ある意味では児童虐待のサバイバーが虐待を再生産していると言うこともできそうです。


そうした中で、アツシさんは食に関して様々な提案をしながらもミナミさんに否定され、ミナミさんはその間ずっと節約の名の下に苦手な料理を繰り返し、美味しくない料理を出し続けます。

この辺りは話し合いや価値観の歩み寄りの不足ともされますが、そもそも「どうせお腹に入れば同じ」と考える人に美味しい料理を作るモチベーションがそう簡単に生まれるものではありません。


アツシさんが食事を作る役割分担にすればよかったようにも見えますが、ミナミさんの仕事メインで3人の子供を抱えて家計を回せるはOECDワースト2位の男女の賃金格差を考えれば厳しいところ。

とはいえアツシさんもまったく完璧ではなく、子供にマズい料理を食べさせつつ自分だけ12000円のコース料理をこっそり食べに行くのは親としてはかなり自分勝手と言えそう。

また休日の自炊も高価なごちそうで、他の提案も子育てのための節約とは逆行するもの。安い材料で数日分の作り置きをすればよいはずですが、そうした歩み寄りは見られません。


アツシさんの料理はよく「男の趣味の料理」と呼ばれるタイプのもので、家計を気にしつつ毎日の献立をテトリスのように組み上げていく家庭の料理とは別物であることがほのめかされています。

とはいえ、この食事を衣服や住居、または自動車や音楽、釣りといった趣味に置き換えてみれば、「パートナーが完全に無関心」問題は多くの人が共感できるはず。


mamastaが記事中で毎回「結婚とは、生まれも育ちも異なる他人同士が「家族」になることです。価値観の相違をすり合わせながら、お互いにとって心地のいい関係を築いていくことが、結婚生活の一番の課題」としているように、最終的には価値観のすり合わせをどうしていけばよいのかという問題に行き着きます。


お互いの育った環境の違いから子育て中の家計、食への根本的な価値観の問題までが複雑に絡み合った本作品、まだまだこの先のふたりの関係と家族の行く末から目が離せません。

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