いよいよ火蓋が切って落とされたiPhone 13商戦。
auと楽天モバイルが「基本料0円」で激突する中、「楽天モバイルって本当に使えるの?」という声が読者から寄せられたため、ぶっちゃけたところをお伝えします。詳細は以下から。
◆楽天モバイルのエリア構成は?
まず知っておきたいのが、楽天モバイルのサービスエリア。
楽天モバイルには自社で基地局を展開した「楽天回線エリア」と、カバーできていないところをau回線に頼る「パートナー回線エリア」があり、東京都は地下鉄など一部を除いて楽天回線のみでサービスが提供されています。
◆とにかく地下が厳しい
その上で早速ぶっちゃけてしまいたいのが、楽天モバイルの地下の弱さ。都内であっても地下鉄ではパートナー回線(au回線)で通信できますが、ビルの地下などではまた事情が異なり、ところどころで電波が大きく不安定になります。
分かりやすいのが新宿西口ヨドバシカメラの地下入口。今回は「iPhone 13」と対応エリアが同じiPhone 12 Proを2台使って比較してみました。
au(左)は5Gなのに楽天モバイル(右)は圏外になります。
どんどん電波が弱くなり、ついには圏外になる楽天モバイルのiPhone(右)。このご時世「圏外のiPhone」は非常に珍しい光景です。
◆「パートナー回線エリア=auの全エリア」ではない
また、致命的なのが楽天本社から最も近いターミナル駅・東急田園都市線の渋谷駅。
1日69万人近く(2019年度)が乗降する巨大駅にもかかわらず電波は非常に弱く、au(左)はアンテナピクト4本、楽天モバイル(右)は圏外です。
かろうじてつながっても、下り速度はauの10分の1ほどとなる3Mbps台。3Gと大差ありません。
このつながりにくさ、速度の遅さはホームも車内も人で埋め尽くされる朝夕のラッシュ時でなく、人の少ない緊急事態宣言下の平日23時前後のもの。どれだけ事態が深刻か分かるでしょうか。
もちろん電車に乗ってもこのありさま。使い物になりません。
なお、au回線を使っているとみられる地下駅にもかかわらず、ここまで大きく差が出てしまうのは楽天モバイルで利用できるau回線は俗にプラチナバンドと呼ばれる「800MHz帯」のみであるため。
ターミナル駅のような人が密集するエリアでは、複数の周波数帯に対応したカバーエリアの小さな基地局をきめ細かく配置した上で、電波を束ねて通信する「キャリアアグリゲーション」を活用する必要がありますが、楽天モバイルユーザーは使えないわけです。
つまり「パートナー回線はあくまでauが提供する通信サービスの一部でしかない」と、あらかじめ念頭に置いておく必要があります。
◆こんな利用シーンに注意
新宿や渋谷といった主要駅でも使えないことがある楽天モバイル。
Buzzap!編集部ではサブ回線として同社のモバイルルーター「Rakuten WiFi Pocket」も試用していますが、どのようなシーンに注意すべきなのか実体験を元にまとめてみました。
・飲食店
まずは食べ物屋さん。店に入った途端電波が弱くなり、最悪圏外となるため「おいしいラーメンを食べに来たので写真を撮ってSNSで共有」などの使い方はできない場合があります。もちろん注文の品が出てくるまでの間も通信できず、かなり不便です。
・スーパーなど商業施設
地下に売り場があるタイプのスーパーや、店の奥などは鬼門。お使いに行かせた子どもがスマホで親に「これでいいの?」と聞こうにも圏外で聞けない……などのケースは十分あり得ます。
実は楽天本社の一部が入居する「楽天クリムゾンハウス アネックス」も電波が不安定。
試験サービス開始から2年近く経った先日まで圏外でしたが、ようやく対策されてトイレの中でも1Mbps程度の低速通信を利用できるようになりました。
・ドラクエウォークやポケモンGOなどの位置情報ゲーム
Buzzap!編集部員が強く不自由を感じたのがこちら。「気付かないうちに圏外のエリアを通ってしまい、通信エラーでゲームが止まっていた」というケースが多々あり、ストレスフルでした。
とりわけ住宅地や郊外、半地下の駅などでエリアの穴がみられ、位置情報ゲームとの相性の悪さを思い知らされましたが、驚かされたのが上野駅そばの不忍池で突然使えなくなったこと。
バッテリーを抜いて再起動するとアンテナピクトが立ったものの通信は安定せず、結局Wi-FiをオフにしてUQ mobile回線で通信した方が快適でした。
まさかと思うような場所で圏外となる上、回線だけでなく製品(Rakuten WiFi Pocket)にも若干の不安があると言わざるを得ない楽天モバイル。
少なくとも携帯3社と同じ感覚で使うべきものではなく、上記の利用シーンに当てはまらず「圏外でも構わない」とある程度割り切れる人でないと後悔するかもしれません。
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