まるでスカウター、ドローン連携人命救助用AIスマートグラス「3rd-EYE」実用化へ


ちょっとドラゴンボールの「スカウター」を思わせる見た目な上、機能もスカウター級のスマートグラスが開発されています。詳細は以下から。

ロックガレッジ社のプレスリリースによると、同社は茨城西南広域消防本部と合同で、ドローンとAIとスマートグラスを連携させ、人命救助活動をサポートするシステム「3rd-EYE」の実証試験を実施したそうです。

3rd-EYEはドローンの映像をAIで自動解析して捜索対象となる人の位置を特定、スマートグラスに位置情報を表示して効率的に情報共有できる捜索活動支援システム。捜索結果は指揮本部に設置される端末に共有され、指示を出す際にも利用できます。

このシステムが開発された背景には、地震や水害などが多発する日本で、捜索活動や被害状況の把握、人命救助活動にドローン活用が模索されつつも、現時点ではドローンが収集した情報の活用・伝達が十分にできていないことがあります。

3rd-EYEではパイロットがドローンを飛ばし、映像や捜索結果、隊員の位置を確認した指揮本部からの指示で捜索部隊が捜索・救助活動を行います。ドローンから得た情報が効率的に集約され、人命救助に迅速にフィードバックされることになります。

具体的には、ドローンで撮影した映像をAIがリアルタイム解析して人影を抽出。捜索隊員は映像で状態を確認しながら救助に向かえます。

現在位置と方位に連動させて表示できるため、スマートグラスを装着した隊員は、視野の中でどこに要救助者がいるかを直感的に理解できることが大きな特徴です。

こうした直感的な表示により隊員間や指揮本部と正確に意思疎通でき、救助活動の迅速化が期待できることに。

また指揮本部に設置されるタブレット端末には全情報が集約されます。以下の機能が実装され、捜索の現状が正確に分かります。

・ドローンのリアルタイム映像表示機能
・ドローン・AIによる人影検出結果地図表示機能
・人による検知結果のダブルチェック機能
・隊員の現在位置・移動軌跡表示機能


加えて地図上に「ピン」を設置し、救助隊員のスマートグラスに目的地を指示できる「ピン打ち機能」も実装。目的地に正確に誘導できます。

地図にはそれぞれの隊員の現在位置がリアルタイム表示されて別動隊の行動を常に知ることができ、一度捜索を行った場所もわかるため効率的に捜索できるように。

今回の実証試験では、実用化版3rd-EYEを消防組織による捜索活動訓練に組み込んだ実証実験を実施。消防組織との度重なるヒアリングと実証実験で仕様と機能を最適化したことで、指揮系統を崩さずに効率良く捜索活動を行えることを確認しています。

単にドローンを利用するだけでなく効率的に組み込むことを強く意識しており、災害時の一刻を争う人命救助活動に必要な要素が余さず取り込まれています。

一見FPSなどのゲームの画面やシステムを思わせる仕様ですが、その実用性が消防組織というプロの活動の中で実証された形となります。

3rd-EYEは各種災害だけでなく、山岳遭難や徘徊老人の捜索、警備、害獣調査などにも応用できるとのこと。人手不足が問題となる中、人命や治安に関して大きな助けになりそうです。

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