「本物と変わらない味のノンアルコールビール」製法ついに発見、しかもSDGs対応
美味しいノンアルコールビールの開発は年々進んでいるものの、まだどこか物足りない…というビール好きは多いはず。
そんな人への最終回答となる「アルコールがないだけでビールと同じ味」のノンアルコールビールが作れるようになるかもしれません。詳細は以下から。
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デンマークのコペンハーゲン大学のSotirios Kampranis博士らが、ビールの味わいの決め手となる芳醇で複雑なアロマを生み出すホップ由来の分子の生成に成功しました。
Kampranis博士はノンアルコールビールを作る際、加熱処理によってアルコールを除去する際にホップの持つアロマが消えてしまうと指摘。
またホップのアロマを付与する際にアルコールが必須のため、発酵を最小化させる製法でも物足りない味になってしまうとします。
長年の研究の結果、Kampranis博士らはサッカロミセス・セレビシエという酵母菌を操作し、ホップから発見されたモノテルペノイドという分子を作り出すことに成功しました。
ノンアルコールビールの製造工程の最後にこの分子を追加することで、失われたアロマを取り戻すことができるとのこと。
現在デンマークの醸造所でこの方法の試験が行われており、10月末までには全国のビール産業全体向けのプランが策定される予定です。
なお、この「代替ホップ」は今流行のSDGs的にも大きな意味を持っています。わずか1kgのホップを作るには2.7トン以上の水と耕作地が必要となりますが、酵母であれば不要です。
Kampranis博士は代替ホップを用いることで、1/10000の水と1/100の二酸化炭素排出量で同じ量を作れるとしています。
ビールは世界中に億単位の愛好家がいるため、この影響は無視できるものではありません。コロナ禍で消費の減った2020年でさえ年間で東京ドーム約143杯分のビールが飲まれています。
また日本で考えれば、代替ホップが発泡酒や第3のビールに使われれることでよりビールらしい味わいを作り上げることも可能となりそう。
いろいろな意味でビール好きには無視できない発見と言えそうです。
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