「ネットに逃避」で問題行動やうつ増加、長期になればなるほど影響大と判明

新型コロナで外出が制限されたことで、多くの人がこれまで以上に長期間触れることになったインターネット。

ですが、気晴らしのためにネットに逃避することが長期的に見て様々な悪影響を及ぼすことが示されました。詳細は以下から。


ジャーナル「Computers in Human Behavior」に発表された最新の研究によると、長時間インターネットを現実逃避の気晴らしに使う人ほど、問題行動と抑うつ状態が増加するそうです。

Cristóbal Hernández博士らの研究チームは163人のチリ人の被験者に対し、コロナ禍初期の2020年4月から6月にかけ35日間のアンケート調査を実施しました。

アンケートでは2日ごとに、ネットやゲーム、SNSをする時間をコントロールできないなどの問題があったか、また心配事から自分を切り離すための気晴らしとしてネットを利用したかを聞きました。一方で、5日ごとに抑うつ症状があるかも答えてもらっています。

その結果、ネットをつらい現実からの逃避に使った傾向が強い人ほど、抑うつ傾向とネット上での問題行動が高い水準になっていました

重要なのは、ほんのちょっとの時間ネットで現実逃避をしても、抑うつ状態に結びつかなかった一方で、長時間に及んだ人にはこの傾向が顕著に見られていたこと。

Hernández博士は、短時間ならばネガティブな感情を和らげる気晴らしになるものの、癖になると問題行動や抑うつにつながると指摘しています。

また気晴らしにネットを使うことの多い人ほど、利用時間を自分でコントロールできなくなり、抑うつ状態に入り込みやすいとのこと。

逆に抑うつ状態にある人も、ネットの時間のコントロールが難しいことも示されています。

Hernández博士は、つらい現実から目を逸らそうとネットに逃げ込み続けても、現実の苦境は変えられないとの考えが強まって抑うつ状態になったり、自暴自棄で問題行動に走るのではないかと考えています。

思い当たるところのある人も多そうですが、ひとまずスマホやPCから離れる時間を意識的に作ってみてもよいかもしれません。
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