先日お届けした昼間の撮影記事に続いて、6月16日(金)発売の「Xperia 1 V」の実力を試すべく、選りすぐった競合と夜景を撮り比べてみました。
世界初の2層構造CMOSイメージセンサーを搭載したカメラの実力はどれほどのものか、カメラ初心者と言っても過言では無い筆者が試しました。詳細は以下から。
◆比較に用いた機種は4種類
今回比較に用いたのは、Xperia 1 V、Galaxy S23 Ultra、iPhone 14 Pro、Pixel 7 Proの4機種。カメラのざっくりとした説明は以下の通りです。
・Xperia 1 V
2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサー「Exmor T for mobile」搭載の4800万画素広角(24mm/F値1.9)、1200万画素超広角(16mm/F値2.2)、1200万画素望遠(85-125mm/F値2.3-2.8)
・Galaxy S23 Ultra
「ISOCELL HP2」搭載の2億画素メイン(F値1.7)、1200万画素超広角(F値2.2)、1000万画素望遠(3倍/F値2.4)、1000万画素望遠(10倍/F値4.9)
・iPhone 14 Pro
4800万画素メイン(24mm/F値1.78)、1200万画素超広角(13mm/F値2.2)、1200万画素望遠(77mm/F値2.8)
・Pixel 7 Pro
1/1.3インチ大型センサー搭載の5000万画素広角(F値1.85)、1200万画素超広角(F値2.2)、4800万画素望遠(F値3.5)
◆とにかく夜景を撮り比べてみた
実際に撮影してみた写真は以下。基本的にカメラの設定には手を加えず、あくまで「オート」で撮影(夜景モードは公園のみ)。「カメラの暗所撮影性能を試す」という主旨から、フラッシュおよびモバイルライトはオフにしてあります。
また、サムネイル画像をクリックすると大きな画像が表示されるため、拡大をオススメします。
◆都庁
まずはライトアップされた都庁を撮影。折しもこの日は、ウクライナとの連帯のため国旗の色である青と黄色にライトアップされていました。暗い場所と明るい場所のコントラスト差や、明かりの色味などが見るポイントでしょうか。
・標準
いずれの写真も、Xperia 1 V、Galaxy S23 Ultra、iPhone 14 Pro、Pixel 7 Proという順番。早くも色味が違っています。
色合いに関して言うならXperia 1 Vはやや赤すぎ、反対にGalaxy S23 Ultraは白っぽい印象です。イエローの色合いが一番近かったのは意外にもiPhone 14 Proのように見えます。
光のコントラスト差が激しい下層に注目すると、Xperia 1 VやPixel 7 Proが色味豊かに撮影できている印象です。明るく撮れるのに白っぽくなりすぎず、質感が再現できています。
・超広角
Xperia 1 V(0.7倍)、Galaxy S23 Ultra(0.6倍)、iPhone 14 Pro(0.5倍)、Pixel 7 Pro(0.5倍)の順番です。
目を引くのはPixel 7 Proの明るさ。撮影時刻は21時を周っており、周囲がこんなに明るくなることはありません(フラッシュやナイトモードもオフ)。iPhone 14 Proの明るさが一番見たままに近いと言えそうです。
Galaxy S23 Ultraも全体的に明るいものの、明暗ははっきりしています。Xperia 1 Vはただ建物を撮っただけなのに情感たっぷりという印象。緑がかっているようにも見えます。
・ズーム(低倍率)
Xperia 1 V(3.5倍)、Galaxy S23 Ultra(3倍)、iPhone 14 Pro(3倍)の順です。Galaxy S23 Ultraはやはり白っぽい印象です。
・ズーム(高倍率)
Xperia 1 V(5.2倍)、Galaxy S23 Ultra(10倍)、Pixel 7 Pro(5倍)の順番です。
◆都庁の展望室
続いては入場無料で地上202メートルの高さから東京を一望できる展望室に。街明かりの美しさや雲の多い夜空などがポイントです。またこの日では神宮球場で試合が行われていたため、光のコントラスト差にも注目です。
・標準
繰り返しになりますが、いずれの写真もXperia 1 V、Galaxy S23 Ultra、iPhone 14 Pro、Pixel 7 Proという順番です。夜空の色味が四者四様といっていい出来栄えです。
Galaxy S23 UltraやiPhone 14 Proは、いかにも「夜」といった落ち着いた色合いに対し、Xperia 1 VやPixel 7 Proは、デフォルトで様々な街明かりにおける色合いの差を出しています。
面白いのが、左端のビルがXperia 1 Vとそれ以外で撮れ方が全然違うところ。より見応えのある「エモい」夜景になっていると言えるかもしれません。
・超広角
超広角モードにすると、Galaxy S23 UltraやPixel 7 Proは、曇り空や街の光量の差などから夜空に大きくノイズが見えています。
しかしXperia 1 Vはノイズも見受けられず、超広角で夜景が美しく撮れています。iPhone 14 Proも健闘しています。
・ズーム(低倍率)
3倍~3.5倍のズームではその差がさらに顕著になっています。画面中央のひときわ明るい球場のディティールや、鮮やかな尖塔、奥に隠れた東京タワーなども写り方が違って見えます。
・ズーム(高倍率)
Xperia 1 V(5.2倍)、Galaxy S23 Ultra(10倍)、Pixel 7 Pro(5倍)の順。やはりノイズが気になります。Pixel 7 Proは街の光が全体的に緑がかっているようにも見えます。
◆夜の歌舞伎町
昼間に訪れた歌舞伎町の繁華街を、今度はすっかり夜になった22時過ぎに撮ってみました。
・標準
比べてみると、Galaxy、iPhone、Pixelはパッと明るいのに対し、Xperiaだけ質感が違います。暗いところは暗くなり、明るい場所と対比されることで看板やLEDライトのまばゆさが際立っています。
・超広角
・ズーム(低倍率)
奥のゴジラ像は照明が消えていたため、肉眼でも見えにくいものでしたが、Galaxy S23 Ultraなら明るく写りました。
・ズーム(高倍率)
さらにGalaxy S23 Ultraの10倍ズームでは、昼と同じようにゴジラがはっきり確認できました。これはすごい。
◆深夜の郊外の公園
ほとんど明かりがない、カメラセンサー泣かせの暗がりも撮影しました。
・標準
・夜景モード
Xperia 1 Vは全てを明るくするわけではなく、影の部分が多い印象。反対にGalaxy S23 Ultraはまるで昼と見まごうほどの明るさです。iPhone 14 Proは明るさが上がりすぎて、木々の緑色がくすんでいます。
◆夜景を動画でも撮り比べてみた
また、今回は夜景撮影性能を動画でも試してみることにしました。手ブレ補正性能や暗所撮影性能を一目で比べることができます。
・手ブレ補正比較
Xperia 1 V、Galaxy S23 Ultra、iPhone 14 Pro、Pixel 7 Proの順番です。それぞれの機種を片手で持ちながら、公園を一周しました。
Xperia 1 Vは、手ブレ補正は強いものの画面がカクカク震えたりするほか、光源が目の前にある場合にゴーストが発生しています。
同じ環境下ではGalaxy S23だけがゴーストがほぼ発生せず、ノイズも少ない動画になっています。
◆まとめ
Xperia 1 Vのカメラを競合のスマホと一緒に使ってみて感じたのは、なんと言っても色と質感の豊かさでした。
逆光や夕焼け、夜景などの撮影で特にその真価を発揮し、カメラ初心者の筆者でも簡単に、情感たっぷりな写真を撮ることができました。
一方で昼間の撮影においては、より明るくビビッドに撮れるGalaxy S23 Ultraや、昼夜問わずバランスの良い写真の撮れるiPhone 14 Pro、Pixel 7 Proに軍配が上がることもありました。
カメラだけで判断するなら、ユーザーの用途に合っているかどうかが重要です。
たとえば、ふと空を見上げて目に入った夕焼けを写真に収めたくなったり、友達や大事な人との思い出を色鮮やかに残したい、というユーザーには、特に強く勧められるスマホと言えそうです。
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