気が付けばクアルコムをシェアで追い抜き、3nmプロセスを用いた最先端の高性能プロセッサを手がけることをTSMCと連名で発表するなど、モバイル業界をリードする立場にあるMediaTekが手痛い失敗をしてしまったようです。詳細は以下から。
海外メディアの報道によると、MediaTekがまもなく発表する見込みの最新プロセッサ「Dimensity 9300」には『定格通りに動作させると発熱がとんでもないことになる不具合』があるそうです。
これはDimensity 9300が採用した独自のコア設計によるもの。
昨今のスマホ向けプロセッサは処理能力の高い「パフォーマンスコア」や省電力な「高効率コア」を必要に応じて使い分ける仕組みを採用しており、Snapdragon 8シリーズでも以下のようなコア構成になっていますが……
・Snapdragon 8 Gen 2
1+2+2+3(Arm Cortex-X3×1+Cortex-A715×2+Cortex-A710×2+Cortex-A510×3)
・Snapdragon 8 Gen 1
1+3+4(Arm Cortex-X2×1+Cortex-A710×3+Cortex-A510×4)
Dimensity 9300は省電力な高効率コアを廃して処理能力の高いパフォーマンスコアだけを2種類4基ずつ採用する、かなりピーキーな構成になるとされています。
・Dimensity 9300
4+4(Arm Cortex-X4×4、Cortex-A720×4)
長きにわたった発熱問題をクリアし、処理能力や消費電力の面でも好評なSnapdragon 8 Gen 2と対極のアプローチを採用してしまったDimensity 9300。
安定して動作させるためには本末転倒を承知で処理能力をあえて落とすか、スマホの放熱機構を徹底的に強化する必要があるため、本領を発揮できるのは冷却ファンが付属したゲーミングスマホなど一部の製品のみとなりそうです。
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