初の独自開発コアを採用することを受けて、値上がりが懸念されているクアルコムの最新プロセッサ「Snapdragon 8 Gen 4」。
その対抗馬として注目されていたMediaTekにも、暗雲が立ちこめ始めているようです。詳細は以下から。
海外メディアの報道によると、MediaTekの最新プロセッサ「Dimensity 9400」には300億個を超えるトランジスタが実装されるそうです。
これは現行の「Dimensity 9300(227億個)」を32%も上回るもの。GPUの処理能力が20%向上するなどパフォーマンスが大きく引き上げられるため、Snapdragon 8 Gen 4を上回る圧倒的な性能を実現できるとされています。
一方、トランジスタの実装数を増やすためにDimensity 9400のダイサイズはスマホ向けとしては史上最大となる150mm2へと大型化する見通し。
NVIDIAの「GT1030(74mm2)」「GTX1650(200mm2)」といったデスクトップ向けGPUに匹敵する大きさで、AIの処理に必要なNPUやキャッシュの強化も期待できます。
競合を超える高い処理能力に加えて、TSMCの3nmプロセス「N3E」で製造されることでエネルギー効率も大きく引き上げられるとみられるDimensity 9400。
しかし製造コストの増加は避けることができず、ARM社のコアを引き続き採用することで引き下げを図るものの、MediaTekが手がけた中で最も高価なスマホ向けプロセッサになる可能性があるとのこと。
つまりかねてから高価格化が取りざたされているSnapdragon 8 Gen 4ともども、ハイエンドスマホの値上げは避けられないと考えたほうがいいわけです。
懸念されていた発熱問題がダイサイズの大型化によって多少緩和される可能性も浮上しているため、トータルで考えれば悪くない話ではあるものの、スマホ高騰に悩まされている消費者にとっては耳の痛い話となりそうです。
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