「携帯通信は、京セラ」
そんなキャッチコピーの面目躍如となる基地局技術が開発されました。PHS時代から培われていた同社のノウハウとAIを組み合わせた新たなアプローチが世界規模で展開されます。詳細は以下から。
◆京セラが「5G仮想化基地局」を開発
京セラのプレスリリースによると、同社は「AIを活用した5G仮想化基地局」の開発を商用化に向けて本格的に開始するそうです。
仮想化技術は従来、一部のメーカーが手がける高価な専用ハードウェアで構築されていた基地局を汎用サーバー上で構築することでネットワークの整備コストを下げるというもの。
京セラの5G仮想化基地局は汎用サーバーにAI関連の処理に強いNVIDIAの「GH200 Grace Hopper Superchip」を採用しています。
◆AI制御で高効率、低消費電力、低コストな5Gネットワークを実現へ
5G仮想化基地局の特徴を。AIが混雑時の通信量分散や周波数帯の割り当てをリアルタイムで行うことで通信の高速化や通信品質向上を図れるほか、通信量に応じた消費電力の低減、各種設定の自動制御なども行ってくれます。
ミリ波とSub-6の両方をサポート。急激なトラフィックの増加や新たな周波数割り当てにも対応できるほか、携帯各社で基地局をシェアできるため、低コストで5Gエリアを拡大できます。
従来は通信事業者ごとに、基地局ごとにネットワークの制御が必要でしたが、仮想化基地局では複数の基地局の機能を集約して一括で制御。5Gネットワークの構築にかかるコストを全体的に引き下げられるわけです。
◆通信ベンダー6社体制のアライアンスで世界展開も
また、京セラは台湾やインド、韓国の通信ベンダー6社と「O-RU Alliance」を設立。
京セラのCU/DU(基地局装置)をオープンに開放し、互換性のある柔軟なアクセスネットワークを構築することで……
カバーエリアの規模に応じた適切なアンテナを、複数のベンダーが供給できる体制を実現。こちらは建物のワンフロアなどに向けた小規模なものです。
中規模の施設向けアンテナはこんな感じ。
そして駅などの人口密集地に向けたアンテナ。オープンな5G仮想化基地局のもと、それぞれが持ち味を生かしたアンテナを手がけることでエコシステムを構築していく仕組みです。
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