世界で最も優れた報道写真、「世界報道写真展2012(World Press Photo)」 ~自然、現代社会の問題、アート&エンターテインメントの部~

このエントリーをはてなブックマークに追加

これまでに「各種ニュースの部」、「スポーツ、日常生活、ポートレイトの部」とジャンル毎にまとめてきた「世界報道写真展2012」の記事も今回で最後になります。

最終回となる今回は「自然」の部、「現代社会の問題」の部、「アート&エンターテインメント」の部の3つ。相変わらずどの作品も凄まじいまでのハイクオリティで、この地球で起きていることをまざまざと見せつけてくれます。これから日常生活を送っていく中で、作品から感じ取った何かをふとした時に意識できるのなら、きっと少しずつ生活が変わっていくのではないでしょうか。

※報道写真という性質上、事故や事件を写した作品も多く、遺体の画像も含まれているので閲覧の際には十分に注意してください(画像はクリックで拡大します)

◆「自然」の部:単写真

1位の「CLIFF-CLIMBING POLAR BEAR ATTEMPTING TO EAT SEABIRD EGGS」。オスのホッキョクグマが海鳥の卵を食べるために不安定な崖を進みます。本来はアザラシを捕食するものの、気候変動によって食べることができなくなったために海鳥の卵を狙わざるを得ません。ノバヤゼムリャ島のOstrova Oranskieでの光景。(Jenny E. Ross、2011年7月30日)

2位の「HETEROPODA」。オーストラリア・シドニーとハワイ・ホノルルの間にある太平洋で、研究プロジェクト「マラスピーナ遠征隊」が発見したHETEROPODA。(Joan Costa、2011年3月7日)

3位の「TUNA FISH IN THE TONNARA」。イタリアのカルロフォルテ付近でダイバーが撮影した、マグロの魚群。(Francesco Zizola、2011年6月12日)

◆「自然」の部:組写真

1位の「RHINO WARS」。南アフリカのクラークス付近で男が大きなサイの角を持っている写真など。角は白サイを密漁から守るために切り取られました。サイの角は現在、国際市場において金よりも価値があります。(Brent Stirton、2011年5月)











2位の「INFINITE CAVE」。イギリス人探検家チームによって新たに発見されたベトナムにある世界最大の洞窟、ソンドン洞窟(Hang Son Doong)。その全長は3.8キロメートルに達し、場所によっては高さ200メートルにもなります。(Carsten Peter、2010年3月)











3位の「SHARK FIN」。台湾の都市、高雄にあるDong Gang魚市場で冷凍サメを処理する労働者など。科学者たちの最近の報告によると、世界の外洋に生息するサメの90%が、中国で拡大する中産階級層のフカヒレスープ需要によって消えてしまったとのこと。(Paul Hilton、2011年6月)











◆「現代社会の問題」の部:単写真

1位。ウクライナのKryvyi Rigで部屋を借りて仕事をしている麻薬中毒の売春婦マリア。彼女は日常的に薬物を摂りながら毎週沢山の男性に身体を売っていますが、HIV検査では陰性だと主張しています。また、生活しながら薬物を購入し、9歳になる娘を育てるためにはお金が必要だと話しました。(Brent Stirton、2011年8月31日)

2位の「AFRIKANER BLOOD」。軍曹が南アフリカで行われたKommandokorpsキャンプにて少年たちへ銃の扱い方を指導しているところ。キャンプはアパルトヘイト時代に戦っていた南アフリカの白人の軍人によって運営されています。(Ilvy Njiokiktjien、2011年4月5日)

3位。40歳のジャミーラは小型ロケットによって負傷したものの、満足な治療ができずにいます。イスラエル国防軍とパレスチナのガザ地区を統治するハマースとの武力紛争「ガザ紛争」の後も、ガザは国境の閉鎖や経済危機などの問題があります。(Simona Ghizzoni、2011年3月27日)

選外佳作。中国の四川省成都市にて、男が地元政府から住宅の解体保証金を請求するために高圧電気塔を登っているところ。(Shaofeng Xu、2011年11月22日)

◆「現代社会の問題」の部:組写真

1位の「CHILD BRIDES」。ピンクの服を着たタハニが6歳の時に、25歳だった夫ジドと結婚しました。イエメンの女性のほぼ半分は子供の頃に結婚しています。子供の結婚は国際的には違法となっているものの、地域の伝統が残る土地では制度が引き続き残っています。(Stephanie Sinclair、2011年6月)











2位の「HANGING IN IRAN」。イランのテヘランから110キロメートル西にあるカズビンで行われた公開絞首刑。吊るされたうちの一人、「死のドライバー」と呼ばれたMehdi Farahjは5人の女性を強姦して殺したとのこと。公開処刑は強姦や殺人、詐欺などの犯罪を防止することを目的としたイスラム教の刑罰の一つです。(Ebrahim Noroozi、2011年5月26日)











3位の「DRUG CARTEL’S WAR」。メキシコのアカプルコというビーチリゾートで発見された、タクシーの中にある6人の遺体を法医学者が検査しているところなど。60年代以降に観光スポットとして人気を誇っていた場所は、現在では麻薬カルテル間における戦争の舞台となっています。(Pedro Pardo、2011年1月8日)








◆「アート&エンターテインメント」の部:単写真

1位の「AFGHANISTAN」。カナダ軍の伍長Ben Vandandaigueがアフガニスタン・カンダハール州の前線基地でドラムを叩いているところ。(David Goldman、2011年6月24日)

2位の「DAKAR FASHION WEEK」。セネガルのダカールで開催された第9回ファッション・ウィークにて、デザイナーYolande Manciniの服を着たモデルが屋台の前でポーズをとっています。(Vincent Boisot、2011年7月9日)

3位の「APASHKA」。地元のシャーマンApashkaによって行われた儀式。場所はカザフスタンのUngurtas。(Pavel Prokopchik、2011年10月18日)

◆「アート&エンターテインメント」の部:組写真

1位の「THE SOCHI PROJECT: SOCHI SINGERS」。ロシアのクラスノダール地方にある都市ソチのレストラン「ユーラシア」で歌う人々。現地ではレストランが飽和状態で、料理ではなくエンターテイメントを提供するサービスを行なっているお店も多いです。(Rob Hornstra、2011年1月2日)











2位の「SAUT D’EAU PILGRIMAGE」。ハイチの最も重要な巡礼地とされているSaut-d’Eauのビル・ボヌール村では、1884年に聖母が滝の隣にある椰子の木の上に現れたとされていることを記念して、毎年7月16日を盛大に祝っています。(Emiliano Larizza、2011年7月16日)











3位の「THE RETURN OF THE NATIVE」。毛沢東の死後30年以上が経過しましたが、中国の人々は現在でもしばしば湖南省の湘潭を訪れ、様々な方法で追悼の意を表します。(Huimin Kuang、2011年2月8日)











■肉眼で作品が見られる日本での「世界報道写真展2012」

これらの受賞作品は今年から来年にかけて世界45ヶ国で展覧会が実施される予定となっており、日本では6月~8月にかけて「世界報道写真展2012」として東京、大阪、京都、滋賀の順で開催されます。興味を持った人は是非足を運んでみてください。

【東京】
場所:東京都写真美術館(〒153-0062 東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内)
http://syabi.com/
期間:2012年6月9日(土)~8月5日(日)

【大阪】
場所:梅田HERBIS地下2階(〒530-0001 大阪市北区梅田2丁目5番25号)
http://www.herbis.jp/
期間:2012年8月8日(水)~8月16日(木)

【京都】
場所:立命館大学 国際平和ミュージアム(〒603-8577 京都市北区等持院北町56-1)
http://www.ritsumei.ac.jp/mng/er/wp-museum/index.html
期間:2012年9月20(木)~10月14日(日)

【滋賀】
場所:立命館大学 びわこ・くさつキャンパス(〒525-8577 滋賀県草津市野路東1丁目1-1)
http://www.ritsumei.jp/index_j.html
期間:2012年10月17(水)~11月1日(木)

・関連記事
世界で最も優れた報道写真、「世界報道写真展2012(World Press Photo)」 ~スポーツ、日常生活、ポートレイトの部~ | BUZZAP!(バザップ!)

世界で最も優れた報道写真、「世界報道写真展2012(World Press Photo)」 ~各種ニュースの部~ | BUZZAP!(バザップ!)

あの東日本大震災から11ヶ月、被災地の現在を震災直後と比較した写真36組 | BUZZAP!(バザップ!)

「BNE」「BNE参上」「BNE WAS HERE」、あらゆる街のいたる所に貼られまくっているステッカーの正体 | BUZZAP!(バザップ!)

プレイヤー本人とゲーム内でのアバターの姿を比較した写真集「Alter Ego」 | BUZZAP!(バザップ!)

このエントリーをはてなブックマークに追加