先日BUZZAP!では暗闇で光る花の開発についてお伝えしましたが、今度は光るブタです。でももちろん、これは単なるイロモノではなく、大切な研究の一環です。
中国で10匹の、暗闇でブラックライトを当てると緑色に光る子豚が誕生しました。クラゲの遺伝子を胎児の時点で組み込んだ成果で、人間向けの薬剤のコスタダウンに繋がるとのこと。
中国広東省のSouth China Agricultural UniversityのZhenfang Wu博士とZicong Li博士はクラゲが蛍光に光るための物質を作り出す遺伝子をブタの胚(胎児)に注射し、光る子豚を作り上げました。
これは注射されたクラゲの蛍光遺伝子がブタの体内で元々のブタの遺伝子に組み入れられ、無事に誕生したもの。この遺伝子が組み入れられたことで健康や寿命への影響はなく、普通のブタと同じ寿命を持つとされています。
この実験が示しているのは元々の遺伝子中に存在しない遺伝子を生命体の中に組み入れることが可能だということ。決して面白おかしく光るブタを鑑賞して楽しむためではありません。
こうした技術は世界中で研究されており、ハワイ大学でも同様のブタが作られている(以下の動画参照)他、トルコでは光るウサギが作られ、次は光る羊の作成にとりかかっているとのこと。
Scientists create glow in the dark pigs using jellyfish DNA - YouTube
この技術のゴールとされているのは、人間向けの薬剤に使用される物質を生成する遺伝子を大型の動物に組み入れることで、より安く、効果的に薬剤を作ること。例えば血友病患者の必要とする血液凝固酵素を動物の体内で工場で作るよりも安く作れれば、必要な薬剤の値段を安くできます。
大腸菌などを使い、インスリンなどを大量に安く生成する技術はバイオ医薬品として既に私たちの身の回りでも実用化されています。ブタのような大型の生物で同様の生産ができるようになれば、さらに大規模に、安価に薬剤を作れることになりそうです。
Scientists create glow-in-the-dark PIGS after injecting them with jellyfish DNA Mail Online
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