携帯電話業界が最も盛り上がる春商戦まっただ中の昨今。NTTドコモやKDDI、ソフトバンクの大手3社は他社からの乗り換え(MNP)を優遇する学割キャンペーンでの顧客獲得に血道を上げていますが、そんな中、イー・モバイルが「ありえない」売り方をしています。
◆複数台のセット売りが当たり前になっているイー・モバイル
イー・モバイルショップ各店舗の公式Twitterでは、イー・モバイルのスマートフォン「STREAM X GL07S」やモバイルルーター「Pocket WiFi GL09P」に加え、ソフトバンクモバイルの回線を利用した「ARROWS S EM01F」やテレビ機能付きフォトフレーム「PhotoVision TV 202HW」などを2~3台まとめてセット売りするセールが展開されています。
【23日のキャンペーン】 #EM01F #ARRWSS を新規で3台同時契約で全部一括0円+17,000円CB!もちろんルーター契約無し!本日限定!
06-6232-0510
— イー・モバイル 淀屋橋 (@EM_Yodoyabashi) 2014, 2月 23
【激得オトクキャンペーン】2/23日まで
GL07S+GL09P+202HWで月額4100円でご提供いたします♪♪
またはGL07S+GL09Pをご契約で7インチ高性能タブレットプレゼントしちゃいます!!
もちろんもう一台無料キャンペーンやWiFiセット割使えます
#一括0円
— イー・モバイル 京橋 (@EM_kyobashi) 2014, 2月 20
3台セットでも十分インパクトはありますが、もう一歩踏み込んだのが4台、5台といったセット販売。「スマホ2台+モバイルルーター2台」「同じスマートフォンを3台+さらにスマホ1台とルーター1台」など、核家族化が進んだ昨今、家族全員で1台ずつ使っても十分賄える内容です。
カップルオススメセット!?
スマホもネットも付いてきて電話もいっぱいできて何と1人当たり月額1755円!!
4台セットで月額3510円です♪
GL07S+S51SE+GL09P+GL05Pの例ですが色々な組み合わせがあります♪
是非本日ご来店下さいませ♪20時までです☆
— イー・モバイル 京橋 (@EM_kyobashi) 2014, 2月 12
【5台セットで全て新規一括0円】
EM01F×3
GL07S×1
GL09P×1
5台でなんと月額6955円~!
全て新規でOK!
コンテンツ1個、オプション加入のみ!
クレジットカード必須!
事務手数料はルーター1台のみ!
— イー・モバイル 淀屋橋 (@EM_Yodoyabashi) 2014, 2月 18
◆まさに複数台販売の頂点、極めつけとなる「7台セット」も
そして極めつけがこれらの7台セット。「ARROWS S EM01F」「STREAM X GL07S」を3台ずつ、「Pocket WiFi GL09P(またはGL10P)」を1台という内容で、もはや何に使うのか分からない事態に。さすがにここまで来るとバラマキと言わざるを得ない、えげつない売り方ではないでしょうか。
【驚愕7台セット】アローズ3台+ストリーム3台+ #GL10P or #GL09P ご契約で全て #本体一括0円 やりましょう!月額8275円!TEL:06-6348-4641 #他店徹底対抗 #大坂 #イーモバイル #関西 #GL07S #Arrows #MNP #台数限定,
— イー・モバイル ディアモール大阪 (@em_osaka) 2014, 2月 28
こちらは「ARROWS S EM01F」3台に「STREAM X GL07S」「Pocket WiFi GL09P」「Pocket WiFi GL06P」「Sony Ericsson mini S51SE」をセットにしたもの。ちなみにこれらのセット販売は決して法人契約向けに提供されているものではなく、個人向けであることを考慮すると、どれだけものすごい状況なのかが分かると思われます。
【7台とかどうですか?】
EM01F×3
GL07S×1
GL09P×1
GL06P×1
S51SE×1
事務手は半分以下の3台だけ!
月額7945円~!
コンテンツ1個、オプション加入のみ!
在庫有即契約OK!
クレジットカードお持ちください(*^_^*)
— イー・モバイル 淀屋橋 (@EM_Yodoyabashi) 2014, 2月 18
◆ソフトバンク本体の純増を後押しする側面もある今回の叩き売り
このように類を見ないセット販売&叩き売りっぷりのイー・モバイルですが、よくよく見ると面白いのが「ARROWS S EM01F」が高い確率でセール対象製品となっている点。
2013年8月に発売されたEM01F。背面にイー・モバイルロゴがあしらわれた部分以外、ソフトバンクの「ARROWS A 201F(2013年2月発売)」とすべて同じスペックで、「売れ残った201Fに多少手を加えただけじゃ……?」とすら思わせるモデルです。
ちなみに同モデルはソフトバンクの回線を利用する「EMOBILE 4G-S」契約となり、同じ契約内容の「Nexus 5」同様、電気通信事業者協会(TCA)ではソフトバンクモバイル側の契約にカウント。つまり3台セットなどで叩き売れば売るほどソフトバンクが純増することになるわけです。
また、同じソフトバンク傘下のウィルコムでも「MOTOROLA RAZR M 201M」や「HONEY BEE 201K」といったソフトバンクの2012年冬~2013年春モデルを処分価格で販売。
【ウィルコムプラザ川越西口店限定キャンペーン!】
#SB 機種 #201K ・ #201M と #205SH に2台乗り換え #MNP で本体 #一括0円
更に120,000円 #キャッシュバック !
台数限定で早い者勝ちです! ℡070-6646-4662
— WILLCOMプラザ川越西口 (@willcom_kawagoe) 2014, 2月 28
これらのモデルやEM01Fのベースモデル「201F」はソフトバンクオンラインショップでもほぼ取り扱いを終了しているため、イー・モバイルやウィルコムはソフトバンクで売れ残ったスマートフォンをソフトバンク本体ができない方法で売る役割を担うようになっている感があります。
2月に行われた2014年3月期第3四半期決算発表会で、Androidスマートフォンの新規販売シェアが1位になったことを明かしていたソフトバンク。イー・モバイル、ウィルコムを含めた数字ですが、このような叩き売りが大いに影響していると思われます。
イー・アクセスが6月に「通信業界のLCC」をうたっていたウィルコムを吸収合併することを考えると、新会社も低価格路線でNTTドコモやKDDIの牙城を切り崩しにかかると思われるわけですが、一方で「2~3台のセット売りは当たり前、最大7台をセットでどうぞ」といった売り方に違和感を覚える人も少なくないはず。
携帯電話契約数が日本の人口を上回った(2014年1月末現在、大手3社のみで1億3713万8100)今もなお携帯電話会社の実力を測る指標が純増数であることが一因だと思われる今回の叩き売りラッシュ。このままなし崩し的に果てしないバラマキ合戦へと移行していくのでしょうか。
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