契約者獲得争いが激化する昨今、携帯電話会社各社は電話番号そのままに携帯電話会社を乗り換えられる「ナンバーポータビリティ(MNP)制度」を利用したユーザーの獲得を積極的に進めています。
これは「他社の契約数を減らしつつ、自社の契約数を増やすことができる」というメリットがあるためで、MNPを利用したユーザーに対しては高額のキャッシュバックが行われていますが、日本通信がこれらの施策に対して公開抗議を行いました。
詳細は以下から。
日本通信、携帯キャリアの過度なMNPインセンティブに対する公開抗議|日本通信株式会社
通信速度が限定される代わりにデータ通信使い放題で月額980円、しかも国内最大のエリアを誇るNTTドコモの回線網を利用可能という、非常に利便性の高い「イオンSIM」や、上下300kbpsの定額データ通信に音声通話が付属して月額3960円の「talkingSIM」などを提供している日本通信のプレスリリースによると、同社は音声付きSIMサービスの全てについて、1年間の最低利用期間を設定したそうです。
これは携帯電話会社各社がMNPを利用した転入に対して、ショップなどと連携して1回線あたり3~7万円程度のキャッシュバックを支払っていることへの公開抗議として実施されたもので、2012年3月20日16時以降の申し込みについては、1年未満の解約については1万500円の違約金が発生。
同社は音声付きSIMサービスの中に最低利用期間がないものを設けていましたが、「日本通信のSIMを申し込み、すぐさまMNPでほかの携帯電話会社へ転出することで多額のキャッシュバックを手に入れる」といったことができてしまう現状を指摘。
日本通信は短期解約について「経営的には問題無い」としていますが、今回の問題提起を行うことで、携帯電話会社自身が自律性を発揮すること、または総務省が事後規制として何らかの対策をとることを期待しており、そのために一時的に最低利用期間を設定するとしています。
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