5億の星の輝く宇宙地図、NASAの14年がかりの大プロジェクト「スカイアトラス」が完成


NASAが14年の歳月をかけ、地球から見える宇宙の全方位、5億もの天体を網羅した宇宙地図、スカイアトラスがこの度完成しました。

スカイアトラスで見ることができるのは地球から見ることのできる5億の星々。高機能な赤外線を使った撮影で他の望遠鏡には見ることのできないはっきりしない天体、非常に離れた天体も可視化しています。
(画像クリックで拡大)

この画像を撮影したのは2009年に打ち上げられ、観測に導入された広域赤外線探査衛星(WISE:Wide-field Infrared Survey Explorer)の265億円を投じた超高性能の赤外線望遠鏡。

WISEは4つの異なった赤外線波長を用い、近くの小惑星から遥かに隔たった銀河系まで270万枚の画像を撮影しました。そして合計15兆バイト以上のデータを処理して作り上げられた18000枚の画像が繋ぎ合わされ、最終的な全天の地図ができあがっています。

こちらはWISEの撮影したカシオペア座の超新星。真ん中の赤い雲のように見えるのが超新星爆発の衝撃の広がり。秒速17700km程度という非常に速い速度で進んでおり、撮影時には元あった超新星から21光年の距離へと広がっていました。

宇宙の薔薇とも呼ばれるバークレー59。

空を横切るサイディング・スプリング彗星も撮影されています。

こちらはWISE撮影のアンドロメダ銀河。

もちろんこれは研究用の地図ですが、遠くない将来にGoogleマップやiPad用のアプリとして登場しそう。手元で宇宙探検、時間を忘れて没頭しそうですね。

・関連記事
超巨大な波動砲を発射しているかのような太陽表面のプロミネンス映像 BUZZAP!(バザップ!)

超高速で衝突し合う、美しくもあまりに壮大な銀河たち「ステファンの五重奏団」の死と再生 BUZZAP!(バザップ!)

南アフリカ沖の海中の地球のものとは思えない直径150kmの巨大な渦 BUZZAP!(バザップ!)

太陽表面で地球をまるごと飲み込むほどの巨大竜巻が撮影される BUZZAP!(バザップ!)

NASAが地球の超高解像度写真を公開、自分が無数の塵のひとつだと理解できる内容に BUZZAP!(バザップ!)

人類に起因する地球温暖化は起こっておらず、むしろ今後寒冷化するという予測が出される BUZZAP!(バザップ!)