まさに現代の錬金術、「プリモバイル」を使ったMNP利用の実態が明らかに



今月上旬にソフトバンクモバイルがプリペイドサービス「プリモバイル」のサービスを改定することを表明しましたが、そのきっかけとなった「プリモバイルを利用したMNP」の利用実態が明らかになりました。



◆「MNP」を利用したユーザー獲得に積極的な携帯電話各社
電話番号そのままに携帯電話会社を変わることができる「ナンバーポータビリティ(MNP)制度」は2006年に開始されましたが、携帯電話会社各社による契約者獲得争いが激化する昨今、「他社の契約数を減らしつつ、自社の契約数を増やすことができる」というメリットがあるため、各社ともMNPを利用したユーザーの獲得を積極的に進めています。

例えばソフトバンクモバイルの場合、他社から乗り換えたユーザーに対して「ホワイトプラン基本使用料(980円)」10ヵ月無料または「お父さんホットカーペット」の提供など、携帯電話会社として特典を提供しています。

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また、携帯電話会社だけでなく、携帯電話販売店がMNPを利用するユーザーに対してキャッシュバックなどの特典を提供することもあり、家電量販店の店頭や以下のような携帯電話通販サイトで「乗り換えで最大70000円キャッシュバック!」といった文字が躍ることもしばしばです。

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◆「プリモバイル」を使ったMNPが人気の理由は?
このように非常にメリットの多いMNPですが、中でもとりわけ便利なのがソフトバンクモバイルのプリペイド携帯電話「プリモバイル」を使う方法。昨今、携帯電話各社は通常契約の際に2年縛りを課すことを推進しており、2年以内に解約すると9975円の違約金が発生するというケースが多々見られます。

しかしプリモバイルを利用したMNPの場合、ユーザーはそのような違約金を負担する必要が無いため、乗り換え先のNTTドコモやKDDIなどから気軽にキャッシュバックなどの特典を受け取ることができるというわけです。

◆ついに「プリモバイル」を使ったMNPに違約金
しかしこのような事態が続くことを受け、ソフトバンクモバイルは4月4日(水)契約分から「プリモバイル」の提供条件を改定。契約から1年以内に解約(MNPによる転出を含む)した場合、契約解除料9975円の支払いが発生します。

新たにプリペイドカードを登録せず、プリペイドカード登録翌日から60日間の「利用有効期間」と「利用有効期間」の終了翌日から360日間の「電話番号有効期間」が経過した後の自動解約時には契約解除料が発生しないため、今回の提供条件改定は「プリモバイルを利用したMNPを防ぐため」という意味合いが非常に強いわけです。

ちなみにフジサンケイビジネスアイの報道では、プリモバイルの短期解約が昨年12月から前年同月比で2倍以上増えており、MNPを利用してプリモバイルから他社に乗り換えるケースが最大で月間5000件前後あることがソフトバンク関係者によって明かされています。

携帯電話会社がMNPに手厚い優遇を続ける以上、同様のことはこれからも続くと思われますが、MNPを優遇するあまり、「2年スパンで乗り換え続けるユーザーが最も得で、長期にわたって使い続けているユーザーが損をする」という構図が生まれつつあるのが現状。

しかしそれはかつてユーザーの通話料収入を原資にした販売奨励金で新規契約者の携帯電話端末を0円にするなどの大幅な割引を行うことで、長期契約している既存ユーザーがしわ寄せを受けるという批判から、現行の携帯電話の割賦販売制度が導入されるきっかけとなった「インセンティブモデル」と大差無いのではないでしょうか。

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