今までSamsungのGalaxyシリーズなどに採用されるのみで、あまり馴染みの無い人も多かったであろう有機ELディスプレイが、一気にスマホのメインストリームになる可能性が浮上しました。詳細は以下から。
LGディスプレイの上席副社長兼CTO、姜仁炳氏が4月5日~7日に東京で開催された「Finetech Japan 2017」の基調講演で述べたところによると、2018年にも有機ELディスプレイを採用したスマホが主流になるそうです。
これはApple、Samsung、LG、Huawei、Vivo、Oppo、Lenovoなどの主要メーカー各社がスマホに有機ELパネルを採用することを受けたもの。
2014年時点でのスマホのディスプレイ比率は有機ELが27%、液晶が73%でしたが、2018年には有機ELが58%、液晶が42%に逆転すると姜氏は解説。しかし2017年時点では供給が追いつかないため、各社ともフラッグシップモデルへの採用にとどめる見込みです。
このように急速に需要が拡大することを受け、テレビ向けの大型パネルを手がけているLGディスプレイはスマホおよびタブレット向けの中小型パネルの生産を拡大。2016年時点で液晶が90%、有機ELが10%だった売上高の比率は2020年には50%ずつになるとされています。
なお、SamsungやLGディスプレイ以外にもAUO、BOE、EverDisplay、Kunshan Govisionox Optoelectronics、Tianma Micro-electronicsなどの台湾、中国メーカー各社が有機ELパネルの生産ラインを構築中。
2014年に360万平方メートル、2016年には530万平方メートルだった年間生産量は2018年には1470万平方メートルにまで急拡大する見込みで、急激なシフト転換は有機ELで出遅れているジャパンディスプレイやシャープに多大な影響を与えるとみられます。
OLED penetration of smartphones to surpass that of LCD in 2018, says LG Display executive
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